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膨らむ原発の安全対策費 玄海や川内はコスト1.4倍、火力や太陽光並み 龍谷大教授試算

2018年05月08日 03時00分 更新

記者:水山真人


 九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の発電コストが、東京電力福島第1原発事故を受けた新たな安全対策費用や長期の運転停止で少なくとも事故前の約1・43〜1・44倍に上昇することが、原発のコストに詳しい龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)の試算で分かった。先行して再稼働した川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)は約1・39倍。石炭火力や太陽光とほとんどコストが変わらない結果となった。

 大島教授が試算した1キロワット時当たりの発電コストは、玄海3号12・8円(福島事故前8・9円)、4号12・0円(同8・4円)、川内1号は12・1円(同8・7円)、2号は11・5円(同8・3円)。

 原発の発電コストを「10・3円以上」とした2015年の経済産業省ワーキンググループ(WG)の試算より、2円程度上昇。WG試算の石炭火力12・9円、太陽光(住宅)12・5〜16・4円と大差がなくなった。大島教授は「原発は他の電源より安いから再稼働して使うという説明には無理がある」と指摘している。

 大島教授の試算は基本的にWGの手法を採用。政策経費や運転維持費はWGの数値を用い、新たな安全対策費を反映させた。福島事故の廃炉や賠償の費用は最新の21・5兆円で計算した。事故前のコストは、事故費用を除いて計算した。

 玄海と川内の計4基の新たな安全対策費は、合計九千数百億円で割合は半々とする九電の説明に基づき、試算では各基2250億円ずつと仮定した。その結果、各基601億円だった15年のWG試算の4倍近くに膨れあがり、原発建設費2287億〜3993億円に迫る高額となった。テロ対策の特定重大事故等対処施設が玄海で約2400億円、川内約2200億円と、安全対策費を押し上げた。

 各基の停止期間は4〜7年と長期に及び、発電せず運転期間を空費したこともコストを上昇させた。

 大島教授は「九電の経営にとっては、できるだけ安全対策に費用をかけず、早く運転再開して原則40年の期間より長く運転することが必要になる。原発の再稼働は高コストで、経済性と安全性を両立させるのは困難ということだ」と話す。

 九電は「WG試算にのっとると、安全対策による増加コストは1キロワット時当たり2円強で、増加分を含めても化石燃料の電源と遜色ない。今後も安全運転を継続して発電原価を抑制し、中長期的に競争力を維持していく。電力安定供給や環境の面でも原発は必要だ」としている。










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