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購買力に勝る「購買意欲」 WeChatで知った“日本の贅沢な生ソフトクリーム“ 趙さんの瀋陽来信(2)

2018年05月14日 16時00分 更新

記者:チョウ・イーリン氏


  • 瀋陽では、クルマの急増に伴って「道路駐車場」も増えている

  • 瀋陽市内にある地下鉄建設中の標識。が早く渋滞が解消してほしい

◆   ◆   ◆
 そういえば最近、中国国内に住んでいる友達との会話では、日本の優れたモノに関する情報交換が多くなっている。情報収集に関しては、日本に住んでいる私より、むしろ中国に住んでいる友達の方が敏感で、欠かさずチェックしている様子が伝わってくる。しばしば「自分が知らない日本」を、中国の友達から“逆輸入“していることになり、なんだか不思議でおもしろい。

 GDPの実数以上に、中国人はますます豊かになってきている感覚だ。マイホームや車といった大きな買い物のほかに、海外の良いモノを購入したり、サービスを受けたり。購買力の伸び以上に、購買「意欲」の伸びが旺盛なのだ。

 その結果、無料で体感できた「ソフト」を見るだけではなく、実際の「モノ」や「コト」に手が伸びている。日本を観光で訪れる中国人の客層が「有銭人」(お金持ち)からミドルクラスに拡大。経済発展が進んだ沿海地域だけでなく比較的遅れている内陸からも来日する人が増えている。ごく一部の人にしか買えなかった日本の商品・サービスが、かなり広範囲に入ってくるようになったのだ。

 意欲の高まりに追いつくように、16年前と今では東京と瀋陽の物価のギャップがぐんぐん縮まっている。同じ洋服でも、瀋陽のデパートで売られているものが東京以上に高いケースもあるのだ。

 その購買力の高まりも一因として、瀋陽で近年増えたのが交通渋滞だ。そのため地下鉄の建設が加速化しているが、こちらの整備はまだまだこれから。地上で市民の愛車が大混雑してしまうのは日常茶飯事になってしまっている。

 たとえば、瀋陽の中心部を南北に貫く「青年大街」は朝晩のラッシュ時、通り抜けるのに2時間以上かかることも珍しくない。地下鉄は合計13の路線が計画されているが、まだ1号線と2号線しか開通していない。市民の「足」になるにはまだ遠いが、それでも2017年には一日で100万人以上が乗車した日もあった。

 モノが増え「前のめり」の瀋陽の暮らし。
 16年前のような緩やかな日々とは、だいぶ変わってきているのだ。

瀋陽の人びともはまる!「北海道プレミアム生ソフトクリーム」
瀋陽「北運河」の近くにある広場。ダンスをする女性の姿が多く、小さな子どもも見ているようだ。中国の多くの都市でよく見られる光景
趙 ●琳(チョウ・イーリン)氏<br />
1979年中国・瀋陽生まれ。大学卒業後の2002年に来日し、2008年に東工大院社会理工学研究科を修了。博士(学術)。現在は、富士通総研経済研究所の上級研究員。好きな言葉は、老子の言葉「千里之行、始于足下」(千里の道も一歩から)。趣味は、休日に家族と気軽におしゃべりをしながらの山登り。<br />
※●は「偉」のにんべんが「王」へん









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