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北朝鮮 米政権の隙突く? 「米朝」中止示唆 非核化行程に温度差 トランプ氏の戦略なき会談に懸念も

2018年05月18日 03時00分 更新


  • 16日、ホワイトハウスでの会合に出席したトランプ米大統領(UPI=共同)

 【ワシントン田中伸幸】北朝鮮が6月12日に予定される米朝首脳会談の中止の可能性を示唆したのは、4月に外交・安全保障政策チームの布陣を一新したばかりのトランプ米政権の不安定さを突く狙いがあるとみられる。政権内は北朝鮮に非核化を迫る方針では一致しているものの、非核化の行程を巡っては温度差があるのが実情。トランプ大統領は16日、北朝鮮の動向について「注視する必要がある」と述べ、慎重に見極める構えを見せたが、早急に政権内をまとめて明確な戦略を描けなければ、今後も北朝鮮に揺さぶられる恐れがある。

 ホワイトハウスで16日、記者団から「今後も朝鮮半島の非核化を主張するのか」と問われたトランプ氏は「そうだ」と明言。北朝鮮が同日、米国が一方的な核放棄を強要していると不快感を示したのに対し、従来通り非核化の実現を目指す考えを明らかにした。

 だが、非核化に向けた戦略について政権内で統率が取れているとは言い難い。

 4月26日に国務長官に就任したポンペオ氏は対北朝鮮強硬派として知られるものの、北朝鮮が非核化に応じれば、体制存続の保証や制裁解除、経済支援など数々の「見返り」を与えることをほのめかしている。

 一方で、検証方法など非核化の具体的行程への言及は少ない。首脳会談の目標を「米国に対する北朝鮮の核の脅威に対処する」こととも述べ、日本や韓国が標的となる中・短距離ミサイルの廃棄は強く迫らない可能性も指摘されている。

 これに対し、4月9日に国家安全保障問題担当の大統領補佐官に就いたボルトン氏は「全ての核兵器を除去、解体し米国に持ち帰る」と発言するほか、大量破壊兵器全体の廃棄も強く要求。核関連施設を含む大量破壊兵器を全面放棄させた上で見返りを与えた「リビア方式」の再現を目指すなどその主張は一層強硬だ。

 リビア方式に強く反発する北朝鮮は16日、ボルトン氏を名指しで非難した。背景には、融和的でくみしやすいとみたポンペオ氏の政策をトランプ氏が採用するよう仕向ける狙いがあるとの見方が米国内で出ている。同日の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「発足したばかりの安全保障チームに付け込もうとしている」と指摘した。

 トランプ氏がボルトン氏の強硬論を重視すれば首脳会談決裂の恐れも否定できない。米国内では、11月の米議会中間選挙をにらみ、またノーベル平和賞受賞も意識しているとされるトランプ氏が「成果」にこだわり、ポンペオ氏の融和路線を重視するとの見方が多い。しかし、ポンペオ氏の路線では完全な非核化が実現できる保証はない。

 サンダース米大統領報道官は16日、ボルトン氏が主張するリビア方式について「われわれが利用している方式ではない」と否定した。北朝鮮に一定の配慮を示したとみられ、政権内の足並みの乱れが浮き彫りとなった格好だ。トランプ氏が側近らにあえて多様な意見を言わせ、北朝鮮を揺さぶっている可能性もあるが、識者やメディアにはトランプ氏が「戦略を定めきれないまま会談に臨むのではないか」と懸念する声も上がっている。

   ◇   ◇

米 非核化要求を堅持 北朝鮮の警告に譲歩せず

 【ワシントン共同】トランプ米大統領は16日、ホワイトハウスで記者団に、6月12日に予定される史上初の米朝首脳会談で北朝鮮に非核化を求める方針を堅持する考えを示した。北朝鮮側は米国が一方的な核放棄を強要するなら会談を取りやめると警告したが、譲歩しない構え。ただ会談の実現については明言を避け、北朝鮮の出方を慎重に見極める姿勢を見せた。会談に向け、双方の神経戦が本格化してきた。

 米政府高官は首脳会談開催の望みはあるとしながらも、厳しい米朝交渉を想定。北朝鮮の真意を探りながら「完全な非核化」に向けて準備を進める方針だ。

 米朝首脳会談の取りやめを警告した北朝鮮高官の談話は朝鮮中央通信を通じて発表されたが、トランプ氏は「私たちは通知を受けていない。何も見ていないし、聞いていない」と述べ、米朝交渉の中で直接伝えられていないことを強調。北朝鮮の意図について「これから何が起きるか見ていく。時間がたてば分かるだろう」と繰り返した。

 米政治専門サイト「ポリティコ」はトランプ氏の友人の話として、大統領は全く動じておらず、首脳会談でも優位に立てると確信していると伝えた。

 ニューヨーク・タイムズ紙電子版によると米政府当局者は、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が本気で会談の中止を考えているわけではなく、米国の一方的な要求には容易に応じない姿勢を示して揺さぶりをかけ、優位に立とうとする戦術と分析した。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は16日、ラジオ番組で「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化という目標は後退させない」と述べ、首脳会談の成功に全力を尽くすと語った。

 朝鮮中央通信によると、北朝鮮の祖国平和統一委員会の李善権(リソングォン)委員長は17日、米韓両軍の共同訓練などを非難し「北南閣僚級会談を中止させた重大な事態が解決されない限り、南の政権と再び向き合うことは容易には実現しない」と述べた。










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