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「ぬくもりアナウンス」快走 西鉄バスの2運転手

2018年05月23日 11時29分 更新

記者:西田昌矢


  • 心を込めた車内アナウンスで評判の運転手鈴木崇弘さん=福岡市博多区

  • 英語のアナウンスもこなす内丸信義さん=福岡市博多区

就活生にエール、外国人に英語対応も

 混雑する出勤時でも、何げない昼下がりでも。ささやかな一言が心を温めてくれたり、そっと背中を押してくれたり−。声の主は西鉄バスの運転手。鈴木崇弘さん(38)と内丸信義さん(51)の「マニュアルにない車内アナウンス」に、乗客から感謝の声が寄せられている。「決められた言葉では伝わらない思いがある」と話す2人が、今日もどこかでハンドルを握り、ぬくもりを運んでいる。

 「普段は恥ずかしくて言えないことをカーネーションを持って言ってみてはいかがでしょうか」。今月13日の「母の日」も、鈴木さん独特のアナウンスが車内に響いた。

 一期一会の乗客に心を配り続けるのは、忘れられない出会いがあるからだ。4年ほど前の4月、混み合った車内で「新入生の皆さん、新社会人の皆さん、新しい生活が始まりますが失敗を恐れずチャレンジしてください」と呼び掛けた後のこと。降りていく女性のリクルートスーツと革靴姿に就活生だと気づき「就活頑張ってね」と声を掛けた。

 数カ月後。女性から西鉄本社あてに、第1志望の企業に内定したという報告が届いた。就活で思い悩んでいた時期にアナウンスで元気づけられたという内容だった。鈴木さんは「バスは乗客の顔が見えるのが魅力。ありがとうの言葉が一番のやりがいです」と話す。

 運転手歴22年というベテランの内丸さんには、子どもの頃、バスの運転手に励まされた思い出がある。膝に水がたまる体質で、通院のため母に背負われてバスに乗ると、決まって声を掛けられた。「今日は元気か」「頑張って自分で歩けるようになれよ」。かっこいいな、と憧れた。

 同じ道に進み、家族の前でアナウンスの練習を繰り返した。乗客が顔をあおいでいないか、発車や停車で体勢を崩した人はいないかと目配りし「暑くないですか」「渋滞で遅れております」と声を掛ける。

 お釣りが出るものと勘違いして運賃箱に紙幣を入れる外国人が増えていることが気にかかり、英語のアナウンスも始めた。録音された案内では気付かない客も多い。「No change on the bus」(お釣りは出ません)。日本のバスで不快な思いをしてほしくない、気持ちよく降りてもらいたい−。そう思っていろいろ覚えた。

 「今まで乗ったバスの中で一番丁寧なアナウンスでした。これからも頑張ってください」。乗客からもらった手紙を胸にしまい、明日もバスを走らせる。










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