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米朝仲裁、中国したたか 朝鮮半島問題は「核心的利益」 安保、経済 メリット求め

2018年05月27日 03時00分 更新

 【北京・川原田健雄】米朝首脳会談の再設定を巡る駆け引きが続く中、中国は米朝双方に歩み寄りを促し、対話実現を呼び掛けている。台湾メディアによると、王岐山国家副主席は25日、訪問先のロシアで、朝鮮半島の安全保障について「中国の核心的利益だ」と述べ、積極的に関与する姿勢を強調した。背景には安全保障と貿易問題を絡めた中国のしたたかな戦略がのぞく。

 台湾紙の聯合報(電子版)によると、王氏は25日、ロシア・サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムに出席。「朝鮮半島の安全は中国の核心的利益に関わる。いかなる状況下でも中国は半島での戦乱は許さない」と訴えた。

 習近平指導部の言う「核心的利益」とは、台湾や南シナ海など中国の安全や主権に関わる絶対譲れない問題を指す。中国の指導者が朝鮮半島の問題を「核心的利益」と表現するのは異例で、重要視する習指導部の姿勢を示したものだ。

 中国にとって朝鮮半島情勢は自国の安全保障に深く関わる。「半島の非核化」は北朝鮮の核廃絶だけでなく、韓国に配備された米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)の撤収など、在韓米軍の削減や撤退につながると中国は見ている。

 王氏もフォーラムで「朝鮮半島の非核化プロセスを推し進めなければならない」と強調し、米朝首脳会談の実現を呼び掛けた。

 米朝の歩み寄りは経済面でも中国にプラスだ。今月上旬の2回目の中朝首脳会談で、中国は北朝鮮に経済の改革開放を支援する考えを伝えたとされる。その後、北朝鮮から朝鮮労働党幹部や地方幹部が訪中し、IT企業が集まる北京の中関村地区などを回った。北朝鮮が経済発展し中朝貿易が活性化すれば、国境を接する中国東北部の振興につながる。対北朝鮮制裁の緩和は中国にも利点が大きい。

 米国との貿易摩擦が続く中国にとって、北朝鮮への影響力は米国をけん制するカードでもある。米中は今月中旬の貿易協議で、中国製品の関税引き上げなど対中制裁案を棚上げすることで合意。25日には中国が強く求めていた中国通信機器大手、中興通訊(ZTE)に対する米国の制裁を緩和することで合意したと報じられた。米側の譲歩には米朝会談実現へ向け、中国の協力をさらに取り付ける狙いがあるとみられる。

 米朝が決裂すれば、中国の「北朝鮮カード」は効力が弱まり、米国との貿易協議は厳しさを増す。中国は切り札を保持するためにも米朝対話を促す構えだ。










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