ようこそ ゲスト様

qBiz 西日本新聞経済電子版

デスクコラム

一覧ページへ

「もつ鍋」好きな痛風予備軍の宿題

2018年05月27日 03時00分 更新

記者:木村貴之


  • 博多のサラリーマンに人気の名物料理「もつ鍋」。新鮮なもつ(牛小腸)と山盛りのキャベツやニラをしょうゆベースのスープで煮込む。ビールや焼酎との相性抜群で、食べ過ぎ・飲み過ぎに要注意

 博多の名物料理・もつ鍋はうまい。福岡市・天神の職場近くに行きつけの店があり、季節を問わず食べたくなる。その店から最近、小さな封書が届いた。中には飲食代割引きなどの特典が付くVIPカード。こりゃいい。カードを手に小躍りしていると、別に大きな封書が届いた。職場であった健康診断の結果表。高い尿酸値で「痛風の予備軍」と指摘された。痛風の先輩である上司いわく。「もつ鍋はNGだろ」。え、何だって?

 なぜ痛風にもつ鍋はNGと言われるのか。その前に痛風について調べてみた。

 痛風財団(東京)によると、痛風は、体内にたまった尿酸が結晶化し、激しい関節炎などを引き起こす病気。血中の尿酸値が基準値を超えると高尿酸血症となり、自覚症状はなくても痛風予備軍に。痛風になれば「風が吹くだけで痛む」(諸説あり)発作に限らず、高血圧などの生活習慣病と関係して心筋梗塞や脳卒中などのリスクも高まる怖い病気だ。

 尿酸の原因成分はかの有名な「プリン体」である。あらゆる食品に含まれるプリン体は、食材によって多かったり少なかったり。プリン体を多く含む食品として動物の内臓肉(もつ)がビールや青魚の干物、エビなどの甲殻類と並んで挙げられ、もつ鍋は内臓肉を使うことから高プリン体の料理として考えられているようだ。

 しかし、食材別に詳しく調べると疑問が浮かぶ。日本痛風・核酸代謝学会(東京)のリストによると、内臓肉のうちプリン体含有量がとりわけ高いのは肝臓(レバー)=高い順に鳥、豚、牛=で、これに豚の腎臓(マメ)、牛の心臓(ハツ)が続く。もつ鍋で使われるのは主に牛の小腸(ヒモ、マルチョウ)。リストに小腸は見当たらないが、同じ消化器系となる牛の第1胃(ミノ)は低めだ。きっとレバーほど高くはないだろう。

 さらに材料の大部分を占めるキャベツやニラは尿酸の生成を抑えるらしく、たっぷり入ったニンニクもその効果は抜群だとか。もともと、もつ(ホルモン)はビタミンAやB、コラーゲンが豊富で、免疫力アップや疲労回復の効果があり、美容にもよさそうなもつ鍋。何だか誤解されたまま悪者になっているような気がする。


木村貴之(きむら・たかゆき)<br />
1994年から西日本新聞記者。趣味は釣りとエレキギターの手入れ。好きな映画は「椿三十郎」「八つ墓村」「ナチョ・リブレ」。音楽はレッド・ツェッペリン「貴方を愛し続けて」、寺井尚子「ジャズ・ワルツ」、里見洋と一番星「新盛り場ブルース」









コラム qBizコラムの最新記事



そもそもqbizとは?

Recommend

ランキング

Recommend

特集 最新記事

コラム 最新記事