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面接解禁の6月1日 福岡の大学4年生はどこにいる? 就活”地元志向”の実態は…

2018年06月01日 03時00分 更新

記者:佐藤渉(フリー編集者)


  • 飛行機代を自費で負担し、福岡から東京まで5回以上の面接に通ったという古閑さん

「大きな組織で歯車になるよりも」

 一方、東京での就職を考えながら、福岡を選んだ人もいる。九州大学教育学部の古閑千晶さん(24)は、東京のベンチャー企業に惚れ込み、飛行機代も全て自己負担して、5回を超える面接に通った。しかし最終面接で違和感を覚え、結局は辞退した。

 「今思うと、少し舞い上がっていたのかもしれません。東京で活躍しているベンチャーの若い社長が、目をキラキラさせて私にビジョンを語る。すごく魅力的に感じて、交通費も気にせず通いつめました。でもその会社のコアは何なのか、本心がどこにあるのか、明確な手応えがいつまでもつかめなかった。ふと冷静になったら、周りが盲信しているように思えて怖くなってきて、自分には合ってないのかもなって」

 「目が覚めた」という彼女はその後、福岡で人材派遣会社から内定をもらい、昨年の6月1日は福岡で平穏に過ごした。就職してからは、法人営業を担当。まだまだ力不足は感じるが、やりがいはあるという。

 「小さくてもいいから人の役に立ちたい、誰かのターニングポイントに関わりたい。それが私の仕事の動機です。福岡や九州の人は、新人でも私という人間と向き合って話を聞いてくれる人が多い気がします。東京の大きな組織の中で歯車になるより、私らしい働き方ができてるんじゃないかなって思います」

 「支店経済都市」。長年、福岡の代名詞ともなってきたこの言葉は、裏を返せば地元企業の存在感が薄いことを意味している。そこから脱却するには、新旧を問わず福岡の会社がもっと学生に注目され、目指される存在になる努力が必要だろう。

◇   ◇   ◇

 大手生命保険会社を1年で退職した和田さんはこの6月から、東京都内のベンチャー企業に入社する。大企業から一転、社員70人という規模だ。和田さんは言う。

 「社長との距離が近くて、働く環境や風通しは前よりだいぶ良くなると思います。まだ小さい組織なので、いろいろ任せてもらえるみたい。再チャレンジを、今から楽しみにしてます」

 「東京か、福岡か」――。社会人スタートに向けたターニングポイントとして、6月1日が持つ意味は確かに大きい。しかし長い目で見れば、どの街にいるかは問題ではない。どこにいても、挑戦はできる。大切なのは、企業の思惑に振り回されず、自らの道を切り開くということではないだろうか。

合同説明会の会場に向かうスーツ姿の女性たち。「売り手市場」の中、就職活動は一部ですでに佳境に入っている=5月29日、福岡市・天神









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