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会員制の「ヘリ捜索」人気じわり 高精度発信器使用、登山家の支えに 福岡市のベンチャーが開発

2018年06月09日 03時00分 更新

記者:石田剛


  • 「ココヘリ」で使う専用端末。親機(左)には発信器との距離が表示される=福岡市

 福岡市のベンチャー企業が開発した、高精度の発信器を用いる会員制ヘリ捜索サービスが全国に利用者を広げている。中高年を中心に登山愛好家の増加に伴って遭難も相次ぐ中、サービス開始から2年で会員は1万人を突破した。実際に遭難者の発見に役立った例も出ている。

 ヘリ捜索サービス「ココヘリ」は2012年創業のオーセンティックジャパンが16年に始めた。山間部や室内でも電波が届きやすい周波数900メガヘルツ帯の専用発信器(子機)を会員に貸与。遭難時に会員や家族がコールセンターに電話すると、電波を送受信する親機を積んだ民間ヘリが捜索し、位置を特定して警察や消防に伝える。会費は年3650円(他に入会費3千円)、捜索費用は1度の登山で3回まで無料だ。

 携帯電話を使った衛星利用測位システム(GPS)は山間部では使用できなかったり誤差が出たりする。同社の発信器と親機は最長5キロ程度まで電波をやり取りし、細かい位置も特定しやすいという。久我一総(かずふさ)社長(40)は「全国6社のヘリ運航会社と提携し、通報から2時間以内に場所を特定できる体制を整えている。救助までの『探す』時間を短縮したい」と話す。

 久我さんは西南学院大を卒業後、九州松下電器(現パナソニックシステムソリューションズジャパン)に入社。無線通信機器の商品企画に携わる中で、山岳での災害や遭難に役立つ商品をつくろうと独立した。登山者の団体や登山用品店への売り込みを続け、堅調に会員を増やしている。

 今年5月には群馬県の妙義山に1人で入り、行方不明になった千葉県の男性会員の家族から通報を受けたオーセンティック社が、群馬県警に親機を貸与。ヘリでの捜索時に使用された。男性は死亡していたが、同県警は「速やかな発見に役立った」とする。

 有用性が認められ、17道県の警察航空隊が採用。九州でも、山岳救助の出動要請を受ける福岡市の消防航空隊が機器を借りて効果を検証中。久我さんは「登山者にとって『当たり前』の存在になりたい」と意欲を見せる。










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