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民泊新法施行、参入は広まるか 採算難で相次ぐ届け出断念 自治体は不正対応徹底へ

2018年06月15日 03時00分 更新

記者:前田倫之、岡部由佳里


  • 民泊事業者の連絡先を記した標識。事業者は施設に明示しなければならない=14日、福岡市博多区(撮影・坂本公司)

 一般住宅に有料で客を泊める「民泊」のルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)が、15日に施行された。政府は外国人客の受け皿と期待するが、営業日数が制限されているため、九州では参入の動きが鈍い。自治体は、利用者と近隣住民とのトラブルを防ぐために監視態勢を強める。

 「もう無理。割に合わない」。福岡市の男性(39)は市内の複数のマンションで営んでいた民泊をやめた。

 この3年、宿泊客をもてなす努力を重ねた。自然豊かな福岡県糸島市や、ガイド本に載っていない飲食店に案内した。民泊仲介サイト大手の米エアビーアンドビー(エアビー)の評価は最上位。延べ5千人超が宿泊し、多い月は120万円の売り上げがあった。

 これまでは法律の枠外の「ヤミ民泊」。新法に従って届け出れば、晴れて民泊を名乗れるが、営業日数は年間180日が上限。新たな消防設備に100万円近い費用が必要で、採算は厳しい。男性は「外国人客に福岡の魅力をもっと伝えたかった」と残念がる。

 安く手軽に泊まれるのが民泊の魅力だが、新法に基づく事業者の届け出は低調だ。福岡県は8日までに121件で、このうち福岡市が99件。福岡市内のアパート1部屋だけを届け出た40代女性は、当面の採算性を見極めるという。

 対照的に、旅館業法が定める簡易宿泊所の許可申請が急増している。福岡市には5月末時点で154施設あり、3月に比べ1・5倍増。法改正で最低客室数が撤廃され、集合住宅の1室で民泊営業できるようになった影響とみられる。

 既存の民泊は、法律に沿って営業形態を改める必要がある。エアビーは新法に備え、無許可や無届け出の民泊の紹介を今月からやめた。その数は4万件以上。福岡市内の紹介件数はピーク時の2千件超から896件に減った(14日現在)。

 騒音やごみ処理など、宿泊客と近隣住民とのトラブルが多いのも民泊の課題。2017年度に福岡市に寄せられた苦情は前年度比1・8倍の169件。市は4月、民泊が多い博多区と中央区の担当職員を1人ずつ増やした。

 新法で自治体の民泊への立ち入り権限が明確になった。市生活衛生課の小野英樹課長は「民泊営業は健全化するはずだ。県警や県と連携し、苦情や不正への対応を徹底したい」と話す。










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