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〈玄海再稼働〉薄れゆく「節電」 国、2年前から要請せず 家電使用、震災前の水準に

2018年06月24日 03時00分 更新

記者:山下真



 2011年3月の東日本大震災後、国を挙げて取り組んだ節電キャンペーン。政府が家庭や企業への節電要請を続けたものの、2年前の夏から「電力を安定供給できる」として要請を控え、すっかり影が薄くなった。九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)などの原発再稼働も続き、今や電力需給は安定している。もう節電は必要ないのか。

 節電は、福島第1原発事故後に全国の原発が相次いで停止したことを受け、電力不足を避ける一策として注目された。政府は電力需要の増える夏と冬に、ピーク時の消費電力量を10%減らすなどの節電を要請。九州でも、夏にエアコンをつけず、軒先に植物をつるす「緑のカーテン」で暑さをしのぐなど人々が知恵を絞った。「節電」は11年の流行語大賞にもノミネートされた。

 16年夏以降、政府は要請していない。「原発再稼働や老朽化した火力発電所の活用が進んだことが大きい」。経済産業省資源エネルギー庁の担当者が説明する。電力の供給体制が整い、供給余力を示す予備率が最低限必要な3%を確保できるようになったという。

 節電に詳しい滋賀県立大の村上一真准教授(環境経済学)は「電力会社にとっては、電気が売れた方がもうかる。供給できない最悪の事態を免れ、節電を呼び掛けるインセンティブ(動機づけ)が薄まったのが本音だろう」と分析する。

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 消費者の意識が変化したというデータもある。

 みずほ情報総研が実施した行動・意識調査によると、「節電は手間がかかって面倒」と答えた人は11年6月の33%から、15年10月に47%に増えた。逆に「エアコン使用を控え、別の方法で涼む」人は11年9月の80%から15年10月に57%まで低下。必要な時以外にテレビを消す割合も、ほぼ震災前の水準に戻っている。

 それでも家庭の電力消費は減少している。電気事業連合会によると、1世帯当たりの電力消費量(1カ月平均)は、震災前の10年度に302・2キロワット時だったが、15年度に247・8キロワット時に低下した。なぜか。

 「LED(発光ダイオード)照明など家電の省エネ化が進んでいるから」と、総研の小山田和代コンサルタント。「節電意識が下がったとしても、家電の買い替えなどで自然に節電に取り組める環境になりつつある」と指摘する。

 日本は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」で、30年の温室効果ガス排出量を13年比で26%削減する目標を掲げている。福岡市在住の消費生活アドバイザー、林真実さんは「ピーク時の使用を減らす節電は不要でも、省エネは引き続き欠かせない。家庭でも家電製品の電力消費量をチェックするなど、できる範囲で取り組んでほしい」と呼び掛けている。










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