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福岡名物、夏の夜の「惑星直列」 福ビル最後のビアガーデンに思う

2018年06月30日 03時00分 更新

記者:福間慎一


  • 福ビル屋上ビアガーデンからの眺め。隣の天神コアのビアガーデンや西に広がるビル群、そして広い空を一望できる

  • ビアガーデンがひしめく福岡市中心部(福岡ビルと周辺のオレンジ色の施設。天神ビルと西ビル跡のビアガーデンは終了)

 福岡市のど真ん中、天神交差点。その南東側の角にある福岡ビルは1961年に建てられた。その翌年に営業を開始したのが、屋上のビアガーデンだ。一体の再開発計画に合わせて、西日本鉄道が来年3月末をめどに、テナント側に移転を求める中、福ビルの「しばふビアガーデン」も今年が最後の営業となっている。

 今後、周辺との一体開発が視野に入っている福岡ビル。福岡都心の街づくりの中心的存在の動向を探る取材の一環として(すみません冗談です)、同僚たちと出かけた。

 金曜日の夜とあって、会場はほぼ満席だった。実はビアガーデンを利用することは少なく、今回も数年ぶりだったのだが、驚くほどに「おじさん」が少ない。若者グループが大半で、外国人観光客とおぼしき姿もちらほら。

 福ビルの屋上に来たのは、そこから見える風景を目に焼き付けるためでもあった。ビアガーデンの高さは39.4メートル。ご存じの通り、福岡空港から4―5キロに位置する天神界隈は、航空法による高さ制限の対象エリア。月日を重ねたビルも多いため、政令指定都市の都心部としては比較的低い建物が並んでいる。

 冒頭でふれた再開発「天神ビッグバン」では、国家戦略特区の特例としてこの高さ制限が緩和され、福ビルから少し離れた旧大名小では、高さ115メートルのホテルを含んだ施設が構想されている。見晴らしの良い天神を眺められる時間も、もうそんなに長くない。

 屋上からの眺望は、やはり美しかった。もちろん柵や金網があるので全てを見ることはできないが、西の方には福岡パルコとソラリアステージの向こうに、ファッションビル「VIORO」の上部や、約400メートル離れたアミューズメント施設「ラウンドワン」の屋上コートも見える。そして何より、空が大きい。福岡の街の開放的な雰囲気は、この都心がつくる景観のおかげでもあるのではないか、そんなことも考えた。

 隣には、天神コア屋上の巨大なシンボルマーク。そのふもとのビアテラスでくつろぐ人びとも見える。こちらは福ビルよりもさらに低い、29.8メートルの高さに位置する。

 実は渡辺通りの東側は300メートルほどの間に並ぶ6軒のビルのうち、西日本新聞会館▽イムズ▽天神コア▽福岡ビル――の4軒が、屋上にビアガーデンを構える。さながら宇宙に浮かぶ「惑星直列」だ。

 この中で最も新しいのは、2009年に始まったイムズのビアガーデン。過去をひもとけば、渡辺通りを挟んだ天神ビルの屋上では、1960年から2009年まで営業していた。最古参は1954年の竣工翌年にビアガーデンを始めた西日本ビル(西ビル)だった。徒歩10分ほどの範囲内にこんなに多くの「惑星」が光を放っていたのだ。


福ビルのビアガーデンで惑星のように直列するビール各社の提灯。見ているだけで自然と明るい気持ちになるから不思議だ
福間慎一(ふくま・しんいち)<br />
福岡市生まれ、2001年入社。文化部、長崎総局、本社報道センターなどで記者。1年間のヤフー出向を経て17年9月からqBiz編集長。特技は居酒屋のメニューを指1本でくるくる回すこと。









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