ようこそ ゲスト様

qBiz 西日本新聞経済電子版

「連節バス」定着へ快走 福岡市は順調、北九州市も19年度導入へ “輸送の効率化”を切り札に

2018年06月30日 15時00分 更新

記者:野村創


  • 福岡市中心部を循環する連節バス

 バスの利便性や輸送力向上を図るため、2台つないだ「連節バス」や、専用レーン設置を柱とする「バス高速輸送システム(BRT)」を導入する都市が増えている。九州では福岡市で2016年から連節バスの運行が始まり、北九州市も19年度の運行開始を目指す。全国では導入後、利用者増や増便につながったケースもあり、市街地の渋滞緩和とともに、公共交通網を維持する取り組みとしても注目される。

福岡市、都心部の渋滞緩和へ“手応え”

 BRTは、連節バスやバス優先・専用レーンなどを組み合わせ、定時運行の確保と輸送力アップを図るシステム。国土交通省や環境省も、効率的に乗客を運び、マイカーからの乗り換えを促して二酸化炭素(CO2)の排出量を減らす観点から、連節バスの導入経費などを補助している。

 福岡市と西日本鉄道は16年8月、都心部の渋滞緩和などを目的に連節バスの運行を始めた。西鉄が環境省の補助金を活用し、車両(全長18メートル、幅2・5メートル)7台を購入。1日62便が天神、JR博多駅、博多港中央・博多ふ頭(ウオーターフロント)の3地区を循環する。

 定員は通常の2倍近い133人で、1日の利用者は約3500人。市都心交通課の担当者は「昨年6月から便数を大幅に増やし、連節バスが市民の目に留まるようになった。定着しつつある」と手応えを感じている。

地方のバス路線網維持の手段にも

 国交省によると、4月現在、国内で導入されているBRTは17件。人口が多い首都圏や関西が先行する一方で、BRTを地方のバス路線網を維持する手段と捉える自治体もある。

 01年からの11年間にバスの便数が2割減った新潟市。バス離れを食い止めようと15年9月に連節バスを導入した。市が車両4台を購入し、新潟交通が中心部の幹線約7キロで運行している。市によると導入後、市内の路線バス全体で乗客が増加。導入1年目は前年比0・8%増、2年目は同2・5%増の2349万人に上った。乗客増を背景に、郊外を中心に約450便を増便するなどの効果も出ているという。

 人口が減る北九州市も事情は似ている。同市では01〜14年度、西鉄バス北九州などが運行する47の路線(計117キロ)が廃止された。市都市交通政策課は「今後も利用者の減少で、路線廃止や減便が予想される」と分析。連節バスの導入で輸送を効率化し、余った運転手や車両を郊外で活用することで、路線と便数を維持する戦略を立てている。

 市などが連節バスの導入を想定しているのは、小倉都心部と門司、戸畑、黒崎の主要交通拠点を結ぶ三つの幹線。幹線上に乗り継ぎ拠点を整備し、住宅地や病院などを循環する通常バスを接続させる計画だ。

専用レーンなど走行空間の確保が課題

 ただ、課題もある。新潟市ではバスで直行できた都心部に、乗り換えが必要になったことなどに市民の不満も強く、連節バス中止を求める署名運動も起きた。

 福岡市は専用レーン導入を検討したが、「交通混雑が悪化する」として見送り、都心部への流入交通量を減らす取り組みを優先させている。北九州市でも専用レーンの整備は今後の検討課題だ。

 福岡大工学部の辰巳浩教授(交通計画・都市計画)は「BRTは輸送力が高く、都市部で導入すると効果が高い。ただ、乗客を早く運ぶには専用レーンなど走行空間の確保が欠かせない。一般ドライバーを含めた幅広い合意形成が必要になる」と指摘する。










九州経済 ニュースの最新記事



そもそもqbizとは?

Recommend

ランキング

Recommend

特集 最新記事

コラム 最新記事