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私は「勝手な人間」でしょうか

2018年07月12日 03時00分 更新

記者:久保田かおり


  • 久保田かおり(くぼた・かおり)
    2003年入社。社会部、熊本総局、社会部を経て、2013年から東京支社報道部。経済産業省や原子力規制委員会を1年担当し、科学用語、経済用語まみれの毎日に苦戦。その後、3年間政治グループで官邸や与党を受け持ち、脂っこいおじさん(本当に女性議員は少ない!)を追いかける日々を経験。国会内は想像する以上に蒸し暑く、夏場はいろいろな臭いがします(笑)。今年8月から国土交通省を担当。
     「スナックのママ」(大抵は場末想定)みたいと国会議員によく指摘されるが、実はお酒が苦手。でも「店を出さないか」と言われるのはとてもうれしい(甘い世界ではないと自覚して記者に踏みとどまっている)。自分ではそんなに派手ではないと思うが、大阪出身だからコテコテ感が抜けないのか、と最近思う。

 40歳、子なし。そんな私は「勝手な人間」と名指しされていると感じた。「独身で好き勝手に生きている」と映るのだろうか。

 「このごろ、子どもを産まない方が幸せじゃないかと、勝手なことを考えている人がいる

 自民党の二階俊博幹事長は6月末、都内の講演でこう発言した。

 1度結婚をした私は、仕事との両立などを考え、子どもは作らなかった。「産まない方が幸せ」と決め付けてはいないが、たぶん子どもは持たないだろう、という気がしている。

 言うまでもなく、女性が子どもを産むか産まないかは個人の選択で、国から押し付けられることではない。産みたいと願っても、さまざまな事情で産むことがかなわない人もいる。それぞれに他人からは分からない悩みや苦しみ、葛藤を抱えている。

 二階氏はこうも語っている。「みんなが幸せになるためには、やっぱり子どもをたくさん産んで、国も栄えていき、発展していく方向にしようじゃないか」。

 要は個人の意思や生き方よりも、「お国のために行動しろ」ということのようだ。「産めよ、殖やせよ」という思想からストップしているようで、ゾッとする。一方で、安倍晋三政権は「女性活躍」を掲げるんだから、冗談はやめてくれと言いたい。

 「国家」への貢献をしなくていいと言っている訳ではない。国家への貢献を理由に個人の生き方や選択の自由を否定していいのか、と問いたいのだ。加えて子どもを作ることだけが、貢献ではないはず。しっかり働いて税金を納める、ボランティアなどで地域社会の力になる…さまざまな貢献の形があるはずだ。

 小学生のころ、病弱だった母の代わりに、体調不良の私を度々学校に迎えに来てくれるおばちゃんがいた。おばちゃんには子どもがおらず、私を実の子どものようにかわいがり、母の子育てを手伝ってくれた。

 「おばちゃんには子どもがおらへんから暇やねん。ちょっとは(社会の)役立たなあかんからな」と自虐ネタにして笑っていた。きっとつらい思いをたくさんしたんだろうと思う。

 記者として働いて15年。「子どもがいなくても、記事を書くことで地域社会や国家に貢献してますからっ!」と言えたら格好良いのかもしれないが、そんな自信過剰にはなれない(笑)。仕事をさせてもらって、それで税金を納めて社会への責任を果たしている、ぐらいか。

 今回の二階氏の発言は政権政党の幹部で、しかも「オンレコード」だから記事になった背景がある。つまり氷山の一角だ。東京で取材をして約5年半、複数の自民党議員(もれなくおじさん)から「独身貴族だし、気楽だね」「女は子ども産んで一人前」などと言われた。彼らの思考は驚くほど「昭和」だ。「いやいや」と突っ込むのも疲れるぐらいに。

 生き方を政治家や国に決められるのはごめんだし、子どもの有る無しで女性を評価・選別する愚かさにそろそろ気付いてほしい。










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