ようこそ ゲスト様

qBiz 西日本新聞経済電子版

2018西日本豪雨

一覧ページへ

西日本豪雨のボランティア、もう行っても良い? 「すぐ」も「長期」も人手は必要 情報はネットで確認を

2018年07月12日 18時00分 更新

記者:飯田崇雄、三重野諭


  • 11日に福岡市内であった災害支援団体の情報共有の会合。被災地へ車や先遣隊を送るなど、今後の活動を報告する団体もあった

 死者数が平成に入ってからの水害で最悪となり、広範囲で深刻な被害が出ている西日本豪雨。ボランティア活動への関心が高まっているが、2014年の広島土砂災害では希望者が集まりすぎて混乱し、16年の熊本地震では道路の確保や2次被害防止のために自粛が呼びかけられたこともあった。今回、広島や岡山、愛媛などの大きな被害があったエリアに、一般のボランティアがもう行っても良いの? 

 多くの人は、専門的な技術や経験が必要な高所や危険な場所での活動はできないし、重機を使える人もまれ。今回は大前提として、各市町村の社会福祉協議会が設置する「災害ボランティアセンター」に行って、家の泥出しや掃除、家具の移動、避難所の支援をすることを想定する。

 「被災地にとって深刻な問題は、ボランティアが一時的に集中することよりも、ボランティアが来ないこと」と訴えるのは、長岡技術科学大学の松田曜子准教授。防災計画などが専門で、「震災がつなぐ全国ネットワーク」の共同代表でもあり、ボランティア活動にも詳しい。

活動開始を待つ間に関心が失われる

 松田准教授は「『ボランティアに行くのを待って』と言っている間に世間の関心が失われるのが、一番の問題。特に地方には若い人が少ないので、支援の手が足りなくなる」と語る。

 また、ボランティアセンターが一時的に混乱したとしても、「受け入れ側の調整の問題なので、時間がたてば解決する。受け入れる方も初めての経験なのだから、お互いに長い目で見守っていくことが重要」とも話してくれた。

 西日本豪雨でのボランティア活動に関して、松田准教授が強調するポイントはこうだ。

・豪雨から1週間がたち、すでに浸水家屋の片づけ、避難所での支援、炊き出しなどボランティアの力が必要になっている。

・過去の災害と比較すると、今回は数カ月から1年の単位で、延べ数十万人の単位で活動が必要になる。まずは関心を継続すること。自分やサークル、学校、職場でできそうなことを考えること。ボランティアの参加に職場が配慮することも必要。

・ボランティアのきっかけは「近い」でも「知り合いがいる」でも「昔ふるさと納税で返礼品をもらった」でもよく、少しでも縁のある地域に「恩返しをする」くらいの気持ちで。必要以上に気負う必要はない。

・現地に行く際は、まず各市町村の「災害ボランティアセンター」の情報に従う。今回は広域なので全国社会福祉協議会(全社協)の「被災地支援・災害ボランティア情報」が役立つ。

・現地に行かなくても募金の形で支援はできる。義援金だけでなく、民間支援活動団体を直接支える「活動支援金」の募金もある。(赤い羽根共同募金の「ボラサポ」など) 

・支援物資は送り方に注意が必要。被災地は善意で送られてきたものを断れない。特定の個人や団体宛で、相手の承諾があるもの以外は直接被災地には送らない。

・支援団体が品目を絞って集めることがあるので、募集があればそのルールに則って送る。送るのにも費用がかかるので、少しでもいいので団体への寄付金を付けるのがベター。

・ネットを活用した寄付や支援物資のマッチングサイトもあるので利用する。

募集の情報は、電話よりネットで入手を

 全社協によると、西日本豪雨の被災地では12日時点で12府県の58市町に災害ボランティアセンターが設置されている。ただ、活動希望者の所在地域や人数を制限して募集するセンターも多い。もちろん地域外から受け付けるケースもあり、条件は今後変わることもある。

 各センターはウェブサイトやフェイスブックでこまめに情報発信している。むやみに問い合わせの電話をしてセンターの手を煩わせないという意味でも、ネットを使って最新の公式情報を確認するように全社協は呼び掛けている。

 全社協の担当者も「被害が広域のため、ボランティアのニーズは長期間にわたって残る。人手が少なくなるタイミングで来てもらえるのもありがたい」としている。

 災害ボランティアは移動手段や現地での食事を自己完結するのが原則だ。松田准教授や全社協の話を総合すると、自己完結できる人は、ネットで公式情報を見て、募集中の災害ボランティアセンターにすぐ行くべきだろう。

 ただ、「今は行くのが難しい」「今は自己完結が難しい」という人も決して焦る必要はない。時間がたってもボランティアは必要。長期的な支援が求められている。










九州経済 ニュースの最新記事



そもそもqbizとは?

Recommend

ランキング

Recommend

特集 最新記事

コラム 最新記事