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高齢者に「なめらかすてら」 寒天加え、のみ込みやすく 長崎の歯科医ら開発

2018年07月17日 10時59分 更新

記者:小川俊一


  • のみ込む力が弱くなった高齢者にも食べやすい「なめらかすてら」

 長崎県の歯科医やカステラメーカーなどの有志が、寒天の成分を加えてのみ込みやすくした新商品「なめらかすてら」を完成させた。長崎銘菓として人気だが水分が少なく、唾液が減って口が乾きがちな高齢者には不向きとされるカステラ。「いくつになっても愛され続ける存在になってほしい」との願いを込めて考案した。今月末、開発に携わったメーカーの通販サイトで発売する。

 のみ込む力が弱まった高齢者などの場合、食べ物が誤って気管に入る「嚥下(えんげ)障害」が起きやすく、肺炎や窒息の原因となる。日本人の死因の1位は「がん」、2位は「心疾患」で、3位が「肺炎」。肺炎の96%を「誤嚥性肺炎」が占める。

 長崎大病院の歯科医三串伸哉さん(40)によると、介護福祉士の過去の国家試験に出た「嚥下障害のある高齢者」に関する問題で「最も注意が必要なもの」がカステラだった。「よりによって長崎の象徴が」と少なからずショックを受けた三串さん。昨年1月、自身が代表となって「ゆめカステラプロジェクト」を結成、高齢者も安心して口に運べる商品の開発を始めた。

 「のみ込みやすさ」をキーワードに食材を探り、トロッとした寒天の食感に着目。湯を加えて液状にした寒天の中にカステラを浸し、とろけるような舌触りを実現させた。メンバーに加わった高齢者施設のケアマネジャーが軟らかさを判断、栄養士が栄養価を分析、パティシエが味を調えた。高齢者による試食アンケートも実施。食べやすさや見た目などを総合的に評価してもらい、試行錯誤の末に完成させた。

 11日に長崎市の百貨店で開いた試食会は「プリンに似た食感で、お茶がなくてもすっとのみ込める」と好評で、同県南島原市のメーカー「ミカド観光センター」の通販サイトで売り出す予定。三串さんは「嚥下障害による肺炎などは予防できる。なめらかすてら発売を機に理解が広まれば」と話している。










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