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薬もらいすぎ「7種以上」3% 禁忌薬併用や重複例も 協会けんぽ福岡調査

2018年07月18日 03時00分 更新

記者:井上真由美

 年齢が上がるほど多剤投薬される人が増え、骨折などにつながりかねない−。全国健康保険協会(協会けんぽ)福岡支部のレセプト(診療報酬明細書)分析調査で、全体の3%、高齢者では7・8%が7種類以上を処方されている実態が明らかになった。高齢者に限った多剤併用調査はあるが、就労世代も含めた調査は珍しいという。症状悪化や医療費の無駄につながる禁忌薬併用や重複投薬も数%あり、対策が急がれる。

 協会けんぽは、中小企業社員やその家族が対象の健康保険を運営する国内最大の保険者。福岡支部の加入者は3月現在、約189万人。調査は昨年3月に同支部が受け付けた約66万人(うち女性35万9千人)分のレセプト約172万件を分析。平均年齢38・9歳。

 7種類以上の多剤投薬は40〜64歳4・2%で、年齢とともに増加。75歳以上の25%が調剤薬局1カ所当たり7種類以上処方されているという厚生労働省の調査もあるが比較的健康な就労者を含んでも一定割合で多剤投薬がみられた。

 飲み合わせによって良くない影響が出る相互作用は全体の36・4%、同じ薬を処方する重複投薬は5・8%、併用すると症状悪化や重篤な副作用がある禁忌薬処方も2・5%あった。高血圧などの持病がある人が風邪など別の疾患で受診した場合、不適切処方のリスクが高まる傾向があった。

 また、骨折していた人は骨折していない人に比べ、服用している薬が多い。15種類以上の服薬者のうち骨折している人の割合は、15種類未満の2倍。高齢者の多剤併用による副作用としてふらつきや転倒などが知られているが、若い世代でも骨折などにつながる恐れがうかがえる。

 一方、7種類以上服薬している40歳以上の加入者1500人への意識調査(有効回答率28・9%)も実施。「できれば薬を減らしたい」人が88%いる半面、「医師にかかったら薬をもらわないと不安」という人も60%に上った。

 同支部の試算によると、明らかに無駄な重複投薬を減らすだけで同支部で年間1億2千万円の薬剤費を削減できるという。「お薬手帳やかかりつけ薬局の活用を呼び掛けるなど、対策を考えたい」と話す。

 東京大大学院薬学系研究科の五十嵐中特任准教授(医療政策学)は「薬は数が多いほど効くわけではない。効き目と安全性のバランスを考えて最適化することは、患者にとってもメリットになる。患者、医療機関、薬剤師、保険者が積極的に関わって、減らせる薬は減らした方がいい」としている。










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