ようこそ ゲスト様

qBiz 西日本新聞経済電子版

デスクコラム

一覧ページへ

福岡・天神で劇場再開 吉本興業のファン拡大戦略とは

2018年07月22日 03時00分 更新

記者:木村貴之


  • 福岡吉本の常設劇場「よしもと天神ビブレホール」の9月開設をPRする関係者ら=7月10日、福岡市・天神(撮影・木村貴之)

 福岡市・天神のファッションビル「天神ビブレ」8階の「ビブレホール」が9月、吉本興業福岡事務所(福岡吉本)の常設劇場「よしもと天神ビブレホール」として生まれ変わる。吉本興業の常設劇場は全国13館目で、福岡市では「吉本ゴールデン劇場」が2004年3月に閉館して以来、14年半ぶりの再開。九州最大の繁華街・天神で復活する“よしもと劇場”はどんな空間になるのか。吉本興業の記者会見で関係者が発した肉声を振り返り、探ってみる。
 ⇒天神のロック殿堂、笑い発信拠点に

 吉本興業の泉正隆常務(福岡吉本トップ兼務)「芸人たちがしのぎを削る空間。博多華丸・大吉やパンクブーブーら人気者の誕生は劇場があったからこそ。いろんなイベントを企画し、福岡で愛され、全国で活躍する芸人を育て、元気な福岡をさらに元気づけたい」
 天神ビブレの浅井直樹館長「天神ビブレはファッションを中心に若者文化を40年近く発信し、若い世代と向き合ってきた。ここ数年、天神でもお笑いの熱が高まっている。吉本興業さんと協力し、福岡の街を盛り上げたい。この日を迎えることができて光栄だ」

 吉本側は地元芸人たちの活動拠点や育成の場として、ビブレ側は若者に向けたコンテンツの発信基地して、ともにニーズが合った構図。さらに浅井館長は「私は関西出身。吉本新喜劇を見て育った」と告白しており、受け入れ側のお笑い好きも後押ししたようだ。

 ホールの概要や運営方針などを説明したのは、劇場支配人に就任する福岡吉本の秋定朋宏さん。29歳の若手ながら福岡吉本の広報や、今春開校した新人タレント養成所「吉本総合芸能学院(通称・NSC)福岡」の校長も務めている。秋定さんの説明によると―。

 〈内装〉壁一面に「野生爆弾・くっきー」「鉄拳」など絵心のある人気芸人が絵を描き、劇場のシンボルに。DIYが得意な福岡吉本の高田課長のプロデュースで改装も検討。
 〈設備〉音響や照明は引き継ぎ、テレビ撮影やインターネット配信対応の設備を導入。
 〈雇用〉音響、照明、受付、映像制作、イベント進行の各スタッフ、構成作家を募集中。
 〈公演〉東京や大阪の人気芸人も交えたお笑いライブを随時開催。9月1〜3日はこけら落とし公演(全9公演、末尾に付録)を開く。中高生もお小遣いで楽しめるワンコインライブ(参加料500円)、吉本新喜劇の九州版「九州新喜劇」のミニ公演、天神地区で往来が盛んなインバウンド(訪日外国人客)向けにノンバーバル(言葉以外の手段を用いるコミュニケーション)のイベントなども企画。おおむね月70〜80公演を見込む。
 〈教室〉NSC福岡の教室としても活用。土日祝日の受講後、先輩の舞台を見て学ぶ。
 〈その他〉女性シニア層をターゲットにした美容や健康、趣味のワークショップや、コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」など、多彩なイベントも積極展開する。

 秋定さんは「お笑いだけでなく、いろいろなコンテンツを発信する。目指すのは全く新しい吉本劇場。福岡の皆さんと、皆さんに愛される劇場をつくる」。何となく「何でもあり」の気もするが、行間ににじむのは、福岡でのファン拡大に向けた吉本興業の決意。若者文化の発信し続けた空間に幅広い世代、インバウンドまでも呼び込む戦略が透ける。

福岡市・天神のファッションビル「天神ビブレ」。1982年の開業以来、若者文化を発信し、8階ビブレホールは大物ミュージシャンも来演するライブハウスとして親しまれた(撮影・木村貴之)
木村貴之(きむら・たかゆき)<br />
1994年から西日本新聞記者。趣味は釣りとエレキギターの手入れ。好きな映画は「椿三十郎」「八つ墓村」「ナチョ・リブレ」。音楽はレッド・ツェッペリン「貴方を愛し続けて」、寺井尚子「ジャズ・ワルツ」、里見洋と一番星「新盛り場ブルース」









コラム qBizコラムの最新記事



そもそもqbizとは?

Recommend

ランキング

Recommend

特集 最新記事

コラム 最新記事