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福岡・天神の猛暑、街路樹でクールダウン

2018年08月05日 03時00分 更新

記者:木村貴之


  • 大きく育ったクロガネモチやケヤキなどの街路樹が大きな木陰を落とし、往来する市民の表情も快適そうに見える渡辺通り沿いの歩道=福岡市・天神の博多大丸前(撮影・木村貴之)

  • 再開発で数年前に開通したばかりの新しい通り。歩道の街路樹はまだ若木のため木陰は小さく、炎天下に歩いて通り抜けるには日傘は必需品になっている=福岡市・渡辺通

  • 温暖化対策の大切さを子どもたちに啓発するため作成された「2100年未来の天気予報」の一場面。データは今以上の温暖化対策が施されない状況を想定して算出されている(提供・環境省)

 猛暑が続く夏の午後。ビルが林立し、厳しい日差しが照り返す福岡市・天神の街角を汗だくになって歩き回ると、ふと猛暑が和らぐように感じるエリアがある。大通り沿いの歩道に並ぶ街路樹がつくる木陰。都会の木陰のありがたみをかみしめる一方、改めて街路樹なるものを見つめると―。
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 「和らぎ」を感じるエリアは、天神を南北に貫く渡辺通り沿いの歩道。とりわけ西鉄天神大牟田線の福岡(天神)駅前や、向かいに博多大丸と西日本新聞社が入るビルの前だ。

 人も車も往来が盛んな古い目抜き通りの中心部で、バス停も点在。バス停周りが少し密になるような案配で、クロガネモチやケヤキ、ホルトノキなど常緑の高木が並ぶ。いずれも幹が太く、葉張り(樹木全体のかさの大きさ)は6〜7メートルはあり、並木がつくる木陰はまるで巨大な日傘が連なるオアシスのよう。険しい顔で日向を歩く人は木陰に入った途端に表情が緩み、ベンチでバスを待つお年寄りは涼んでいるようにも見える。

 そもそも街路樹とは何か。渡辺通りを管理する福岡市に聞くと、街路樹が都市部でいかに重要な役割を果たしているかが分かる。

 市みどり運営課によると、街路樹は、道路法では道路標識と同じ「道路の付属物」に位置付けられる。設置目的は大まかに(1)都市の気温の調整(2)粉じん・騒音の抑制(3)歩行者の保護と交通事故の被害軽減(4)都市景観づくり(5)生き物との共生―が挙げられる。

 夏には木陰を落として道路が太陽光で熱せられるのを抑え、周囲の気温上昇を緩和。葉の中の水分が蒸発することで「打ち水」効果もあり、ビル陰よりも遮熱効果は高いという。車道に漂うほこり、車の排気ガス由来の窒素酸化物(NOx)は葉や幹で吸着し、雨で洗い流すといい、都市部のヒートアイランド現象の抑制効果が期待される。茂った葉に騒音吸収効果がある点も心強い。交通事故発生時は衝撃を吸収する天然のガードレールに。鳥や昆虫などの生き物にとっては貴重なすみかや通り道になっているそうだ。


埼玉県熊谷市で41・1度を記録した7月23日、職場の温度計付き壁時計を歩道に置いてミニ実験(左)。当時、福岡市・天神の最高気温は33度だったが、温度計は「40度」を表示した(右)
木村貴之(きむら・たかゆき)<br />
1994年から西日本新聞記者。趣味は釣りとエレキギターの手入れ。好きな映画は「椿三十郎」「八つ墓村」「ナチョ・リブレ」。音楽はレッド・ツェッペリン「貴方を愛し続けて」、寺井尚子「ジャズ・ワルツ」、里見洋と一番星「新盛り場ブルース」









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