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起業家が福岡に「Uターン」した理由

2018年08月08日 03時00分 更新

記者:具志堅 聡


  • 具志堅 聡(ぐしかた・さとし)
    2014年入社。駆け出しは経済部で食品業界を1年間担当。2年間の大牟田支局勤務を経て、17年8月から再び経済部に。現在はエネルギー担当。初対面の人からは、ほぼ100%の確率で「沖縄出身ですか」と尋ねられますが、大分市出身です。

 「3年ぶりに福岡拠点を設立することをご報告させていただきたい」。先日、2014年に福岡市で取材したIT企業ニューワールドの井手康博社長(27)からこんなメールが届いた。当時は福岡に本社を構えていたが、15年から東京に進出していた。

 福岡を離れたきっかけは、東京との「距離」だった。14年当時の取材で井手社長は「ベンチャーは大手企業よりも小回りのきくスピード感が強み。だが東京へ商談に行くにしても回数は限られる」と話していた。インターネット社会でも対面で顔を合わせる商談は欠かせない。東京にはITサービスの情報や同世代の起業家らも集まる。東京のベンチャーキャピタル(VC)からの出資も移転を後押ししたという。

 同社の東京進出から約3年。福岡のスタートアップ(創業)企業を巡る環境は大きく変わった。福岡市内にはいくつものシェアオフィスが整備され、創業支援施設「福岡グロースネクスト」も誕生。イベントなどで起業家や投資家の交流が生まれやすくなり、福岡で事業拡大するための受け皿は確実に大きくなっている。同社もグロースネクストに入居した。

 ベンチャーの成長には、資金や優秀な人材が不可欠だ。井手社長は東京から離れても連絡が取り合える人脈が構築できたからこそ、福岡に第2の拠点を構える決断ができたという。

 井手社長は東京に比べて「福岡は個人投資家の数が少ない」と語る。東京には、創業で成功した経験を持つ個人投資家が少なくない。そうした投資家からは資金だけでなく助言ももらえ、出資という「評価」を得られれば信頼感の向上につながるそうだ。

 同社は17日夜、グロースネクストでオープニングパーティー開催する。イベントを告知するフェイスブックのページには「皆様から代表の井手は『福岡を裏切った男』と大変かわいがっていただいておりました」と自虐的に記してある。福岡にUターンした起業家の成功事例に、ぜひなってほしい。

 ※ニューワールドのホームページはこちら










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