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前図書館長 雇い止め提訴へ 福岡・福智町に復職求める

2018年08月12日 03時00分 更新

記者:斉藤幸奈

 福岡県福智町の図書館で館長を務めていた非正規職員の女性(51)が、募集要領では任用期間が5年となっていたのに、3年で一方的に雇い止めされたのは不当として、町を相手取り、館長としての地位確認を求めて、近く福岡地裁田川支部に提訴することが分かった。

 訴状や関係者の話によると、女性は公募を経て、2015年春に町図書館・歴史資料館「ふくちのち」の館長に就任。募集要領の任用期間は20年3月末までの5年間となっていた。

 当初は3年間の雇用契約を結び、今春、残り2年の契約を結ぶという説明を受けていた。ところが今年1月になって突然、契約を更新しないと告げられ、後に「職場の統率が取れていない」といった理由を示されたという。

 女性は直前まで、町幹部らから「5年で約束しているので契約をしないという選択肢はない」といった言葉を掛けられており、契約更新しない理由とされた点についても事前に注意や指導が全くなく、「雇い止めには一切合理性がない」として復職を求めている。

 図書館には4月に後任館長が就任している。町の担当者は「話し合いをしていたが和解に至らなかった。弁護士と対応していく」としている。

   ◇   ◇

非正規職員6割超 専門性に処遇伴わず 

 図書館で働く人の大半は今や非正規職員だ。日々の運営では重要な役割を担っているのに、雇用は不安定で収入も大きく劣る。

 文部科学省の2015年度の調査によると、図書館職員のうち非常勤は63%(兼任と指定管理を除く)。九州では熊本県が73%と全国で3番目に高く、長崎(72%)、大分(71%)、宮崎(69%)、福岡(67%)の各県も平均を上回る。自治体の非正規職員の割合が3人に1人とされるのと比較しても格段に高い。

 自治体の財政事情が厳しく、司書資格を持った専門職を抱えられなくなったことが大きな理由。収入は正規の3分の1程度とされる。女性が多い職場であることも非正規化を後押ししたとみられ、図書館の非常勤職員の9割近くは女性だ。

 非正規公務員の問題に詳しい地方自治総合研究所(東京)の上林陽治さんは「図書館業務に精通した非正規職員と、異動で2〜3年間いるだけの正規職員との間で業務遂行能力の差が生じている。図書館の魅力を高めるためにも、安心して働ける環境と専門性に見合った待遇が必要だ」と指摘した。










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