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イカに感謝、通の食べ方は「全刺し」 中洲、生き造り発祥の店で14の部位に命名(追加あり)

2018年08月20日 03時00分 更新

記者:福間慎一


  • 生き造りを盛りつける代永秀太料理長。透き通った身が美しい

  • 生き造り発祥の店、河太郎本店は歓楽街・中洲の那珂川のほとりにある

 全国のサラリーマンが出張を希望し、暮らした転勤者は口々に「帰りたくない」と訴える――といっても過言ではない街、福岡。その理由は数あれど、代表的なものは食の豊かさだろう。

 名物と言えばラーメン、もつ鍋、水炊き、めんたいこ、ゴボウ天うどん、ゴマサバ…ちょっと待ってほしい。東京ではなかなかお目にかかれない、玄界灘に面した地勢ならではの名物がある。

 それは「イカの生き造り」だ。

 横浜市出身で、東京から福岡市に初めて出張したというIT社員の女性(30)は、「イカのお刺し身は白いもの。透明なんて信じられない」と話す。その魅力をまだ知らない人も全国には少なくないとみられる。

 qBizでコラムを執筆する福岡市のプランナー、中村修治さんは無類のイカ好きの1人。その中村さんら福岡のイカ愛好家が8月8日、約50年前に初めてイカの生き造りを誕生させた福岡市・中洲の料理店「河太郎」に集まり、「烏賊(いか)サミット」と題して魅力と知名度のさらなる向上へ道筋を探った。

産地からの近さが「命」

 「河太郎」は1960年、中洲でいけす料理店として創業した。料理人だった初代社長の古賀光謹さん(故人)が佐賀県の呼子で友人の漁師の船に乗り、魚のえさとして釣られたヤリイカを船上でさばいて提供したところ、漁師たちがその味に驚いたという。

 その後、光謹さんは呼子にイカの生き造りの店を開店。中洲の本店でも提供し、福岡のでも人気を集めた。

 二代目社長の古賀幹一良さんによると、生き造りに最適なイカは、見た目と味のバランスが最も優れている「ヤリイカ」(九州では一般的に、ケンサキイカのことをヤリイカと呼ぶ)。すっとスマートな外見が美しい。

 鮮度が命のイカの生き造りを楽しめるのは当然、産地に近い場所に限られる。「全国いか加工業協同組合」(東京)の野々山浩専務理事は「東京では、生き造りはかなり限られた店でしか提供されない」。2月にチェーンの九州料理店で生き造りを注文したところ「1杯5000円した」。

 イカは養殖に不向きで、供給は漁に頼らざるを得ないのが現状という。さらにその漁獲高は近年、減少が続いている。加工向きのスルメイカだけではなく、生き造りになるヤリイカも例外ではない。


次ページ:「全刺し」の魅力とは

河太郎の店内のいけすで元気に泳ぐヤリイカ
イカの部位について議論する参加者たち
「全刺し」。部位ごとに歯ごたえ甘みもコクも違う









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