ようこそ ゲスト様

qBiz 西日本新聞経済電子版

【あなたの特命取材班】夏の「怪」生き物消えた セミや蚊、マムシ…酷暑で夏バテ? 豪雨も影響?

2018年08月19日 03時00分 更新

記者:野村有希、吉田真紀


  • 福岡市内の公園を歩いても、例年に比べてセミが少ないようだった=14日午前、福岡市中央区

 「命の危険がある暑さ」と気象庁が表明した2018年の夏。立秋が過ぎても続く猛烈な暑さの中、特命取材班に「今年の夏はマムシをほとんど見かけない。猛暑と関係があるのでしょうか」と疑問が寄せられた。周囲に聞いてみると「そういえば今年は蚊に刺されていない」「セミが例年より静か」との声も。夏が活動期の虫ですら、命の危険を感じて身を潜めているのか。専門家に聞いてみた。

 「今年ほどマムシを見なかった夏はありません」。福岡市の60代男性は首をかしげた。毎年この時期、島根県浜田市の実家に帰省すると、道路に飛び出してきたマムシを車でひいてしまったり、草刈り中に遭遇したりしていたが、今年はほとんどいなかったという。

 ヘビに詳しい崇城大の千々岩崇仁教授に聞くと「猛暑の影響である可能性が高いです」と断言した。ヘビなどの爬虫(はちゅう)類は周囲の環境の温度に応じて体温が変わる変温動物。24〜27度程度が活動に適した気温で「50度程度にもなる真夏のアスファルトにいると5分くらいで死んでしまうこともあります」。猛暑の中で動くのは文字通り「命取り」。本能的に、川沿いの茂みなどの比較的涼しい場所で、じっとしていると考えられるという。

 蚊やセミといった昆虫にも“異変”が。

 「今年は蚊に刺されないので、虫よけもほとんど使っていません」と話すのは、福岡市の中学2年岡崎晴瑠(はる)さん(13)。市内に複数店舗を構える大手ドラッグストアを訪ねると、担当者も「虫よけスプレーや殺虫剤など、防虫関連商品の売れ行きがここ数年では一番鈍い」と話した。

 長崎大熱帯医学研究所の砂原俊彦助教によると「気温が35度以上になると蚊の動きが鈍くなるのは学術的に証明されています」。米国の研究者が実験で、気温を変えて蚊を飛ばしたところ「35度以上では飛ばなかった」という報告があるという。福岡県久留米市では7月、20日間連続で最高気温が35度を超す猛暑日に。同じ期間、大分県日田市も1日を除いて猛暑日だった。8月も連日35度超が続き、福岡市は11日から4日連続で36度を超えた。

 虫も夏バテ状態なのか。大阪市立自然史博物館の初宿(しやけ)成彦学芸員に聞くと「人間と同じく、昆虫も気温が高すぎると動きが鈍くなる」。例年、木にセミがびっしり張り付き「ジジジ〜」の大合唱となる九州大箱崎キャンパス(福岡市東区)を歩くと、今年は少し、おとなしいように感じた。

 昆虫に詳しい九大総合研究博物館の丸山宗利准教授は「土中のセミの幼虫が羽化する前に豪雨で流されたことも一因と考えられる」と指摘。しかしやはり、酷暑の影響は無視できないという。なぜかといえば、昆虫の大きな弱点が「乾燥」だから。暑さで地中や空気中の水分が奪われると、生きてはいけない。「今年の夏は、ここ10年間で昆虫が最も少ないのではないか」と丸山准教授。昆虫採集には、少し物足りない夏休みなのかもしれない。










九州経済 ニュースの最新記事



そもそもqbizとは?

Recommend

ランキング

Recommend

特集 最新記事

コラム 最新記事