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風洞試験装置を小型化 福岡・久留米のベンチャーが実現 競技自転車用、引き合い相次ぐ

2018年09月18日 03時00分 更新

記者:片岡 寛


  • 「風洞試験装置をもっと身近なものにしたい」と語るローン社長。写真の装置は展示用の模型

 高額かつ巨大なため、手の届かなかった競技自転車用の風洞試験装置を身近なものとしたベンチャー企業が福岡県久留米市にある。同市藤光町の「日本風洞製作所」は、従来の装置と比べて大幅な小型化や低価格化を実現。2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、100社以上から引き合いが相次ぐ。

 風洞試験装置は自転車や自動車、建築物の模型などに風を当て、空気抵抗の大きさや風の流れを測定する機械。全長12〜20メートルと巨大で、建屋ごと整備する必要がある。導入費も3千万〜数億円と高額なこともあって、所有するのは大手自動車メーカーやゼネコン、大学などに限られるという。

 日本風洞製作所は2年前、九州大で風力発電の研究をしていたローン・ジョシュア社長(24)が発電効率の高いプロペラの開発を目的に起業した。学生の企業として初めて、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業化支援の助成対象に選ばれた。

 小型風洞試験装置の開発は、ローン社長のサイクリング趣味に端を発しているという。自転車はペダルをこぐ力のうち、8〜9割は空気抵抗で失われる。各メーカーは抵抗が小さな車体やウエアの開発にしのぎを削っており、自転車の専門雑誌に空気抵抗の特集が組まれるなど、競技チームや愛好家の関心は高い。

 日本風洞製作所が開発した「Aero Optim(エアロオプティム)」は、自転車を載せる台を折り畳むと、証明写真機のボックスと同程度の大きさになる。従来の装置と比べて取得するデータにずれが生じやすいが、データを補正するシステムを独自に開発したことで、小型化に成功した。価格も350万〜600万円程度に抑えた。これまでは巨大な電力が必要だったが、小型化により省エネ化も実現。家庭用コンセントから充電できるようにした。

 昨年秋に千葉県で開かれた自転車関連のイベントに試作品を出品したところ、大きな反響を呼んだ。自転車競技で日本勢の活躍が期待される東京五輪を見据え、多くの自転車メーカーや販売店、競技関係者から問い合わせが続々と来ているという。既に一部の出荷を始め、来春から本格化する予定だ。

 ローン社長は「これまで高根の花だった装置を、規模が小さな企業や自転車チームでも導入できるようになる。『風洞の民主化』と呼んでいます」と話す。













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