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猛暑に少雨、秋の味覚に異変 成熟前のクリ次々と落果 ブドウ、カキも被害

2018年09月15日 03時00分 更新

記者:吉田真紀、三笘真理子、井崎圭、野村有希


  • クリの収穫が始まった花畑園芸公園。「生理落果」の影響で、収穫量は昨年から半減する見込みだ=13日、福岡市南区(撮影・三笘真理子)

 秋の味覚に「異変」が起きている。実りの秋の代表格、クリが今夏の猛暑や雨不足などを受け、木が自らの身を守るために収穫前のクリを落果させる「生理落果」が各地で発生。農家から「ブドウやカキにも被害が出た」との声も上がる。気象庁が「命の危険がある災害」とした猛暑は、過ごしやすくなった今も思わぬ影を落としているようだ。

 「今年は相当、木が苦しんだようです」。クリの収穫が始まった福岡市南区の花畑園芸公園の落葉果樹指導員鶴田祐一郎さん(32)は言う。公園によると、生理落果は土壌の水分が急激に減った場合、栄養状態が悪化した木が実を落とす現象。成熟する前のクリが次々に落ち、収穫量は昨年の半分になる見込みだ。

 確かに、福岡市の8月の平均気温は1890年以降、2番目に高い30・0度を記録、降水量は平年の3割程度にとどまった。

 秋の行楽シーズンに入った観光農園も頭を抱える。長崎県大村市の「大又農園」も生理落果で収穫は例年の半分以下。経営者の大又耕治さん(44)は「父の代から約50年栽培しているが初めて」。クリ拾いは20日ごろ始める予定だが「期待に応えられるかどうか」と表情を曇らせる。

 出荷量への影響はあるのか。九州でクリ出荷量トップの熊本県では「昨年並みの見込み」(JA熊本果実連)というが、地域差があるようだ。JAたまな(同県玉名市)によると、栽培が盛んな和水町や南関町の農家に聞き取りをした結果、今年の収穫は例年の7〜8割になる恐れがあるという。九州全域の収穫見通しは不明だが、担当者は「全国的に収穫量が少なければ、クリの市場価格が上がる可能性はある」と懸念する。

 影響はブドウやカキにも。6〜8月の猛暑日が全国最多の44日だった福岡県久留米市の田主丸町では、ブドウの不育のため、田主丸観光ぶどう協会加盟の47園のうち27園が既にブドウ狩りの営業を終了。「中野果実園」でも、収穫前に房が落ちる、粒がしおれるなどの現象が発生し、10月初旬までの予定だったブドウ狩りを20日で終える。害虫被害を防ぐため袋をかけて栽培するが、袋内はサウナ状態だったとみられ、同園の中野勝広さん(69)は「耐えきれなかったのでしょう」と話す。

 一方のカキは「日焼け」に悩んでいた。同町の観光農園「高山果樹園」の高山一三さん(71)によると、10月のカキ狩りシーズンを前に、直射日光を長時間浴びた部分が黄色に変色して味が落ち、売り物にならなくなったカキもあるという。

 さらに果樹にとって心配の種は台風だ。福岡県農林業総合試験場は「養分を作る葉が9〜10割落ちると、翌年の実の量が減る可能性もある」と話した。










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