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18年基準地価、九州全県で改善 都市と山間部はなお明暗

2018年09月19日 03時00分 更新





 2018年の基準地価の変動率は九州7県とも、商業地、住宅地、全用途のいずれも前年と比べて上昇率が拡大、または下落率が縮小した。ただ、価格自体は福岡、熊本以外の5県で下落。再開発事業の活発な都市部や交通の利便性に優れた地点、観光の好調な地域で上昇傾向が強まり、山間部や離島は下落する二極化傾向が続いた。16年の熊本地震や昨年の九州豪雨の被災地でも、復興事業の効果が表れた都市部と、災害が過疎に追い打ちをかけた山間部で明暗が分かれた。

 九州で上昇したのは商業地241、住宅地539地点。前年はそれぞれ198、435地点だった。

 福岡県の商業地では、福岡市中心部の博多区冷泉町の上昇率が九州最高の21・3%。他にも同市の天神地区やJR博多駅周辺が20%前後の高い上昇率だった。

 住宅地は、福岡市中心部への通勤、通学に便利な大野城市錦町4丁目が14・9%上昇し、上昇率全国8位に。北九州市もJR小倉駅周辺のマンション需要などから20年ぶりに上昇した。

 九州豪雨で被災した福岡県東峰村は、住宅地と商業地の全地点で下落率が拡大した。

 熊本市は再開発事業の進展と熊本地震の復興需要が重なり、中央区で下通地区など7地点が九州の商業地の上昇率20位に入った。同区の商業地の上昇率は11・1%に達した。

 熊本市全体でも被災した事業所や住宅の移転需要などで、商業地、住宅地とも上昇。熊本県内では益城町も商業地が3・1%、住宅地が3・5%上昇した。交通インフラの復旧が遅れる阿蘇地域では下落が続いた。南阿蘇村の商業地は下落率が拡大した。

 佐賀県は下落が続いたが、割安感のある佐賀市や、福岡県への通勤圏の鳥栖市で2年連続上昇した。同市や基山町では、九州自動車道鳥栖ジャンクションに近く、物流拠点としての需要から工業地で全国3、4位の上昇率となる地点が出た。

 長崎県では長崎市や佐世保市での宅地需要の高まりが、全体の下落率縮小につながった。

 大分県別府市は商業地が26年ぶり、住宅地が19年ぶりに上昇した。外国人観光客の増加で大手資本のホテル開発計画が相次いだことが理由。宮崎、鹿児島両県は、過疎化と少子高齢化が下落要因となった。

 九州の最高価格は前年に続き、福岡市中央区天神1丁目の「天神木村家ビル」で、1平方メートル当たり620万円。 (湯之前八州)

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天神の勢い復活か 再開発進展、成長に期待

 天神の勢い復活か−。2018年の基準地価で、福岡市・天神エリアの商業地が軒並み前年を上回る上昇率となった。近年、福岡市内の商業地ではJR博多駅周辺の上昇率が天神を上回る状態が続いていたが、再開発事業が徐々に動きだす中、成長への期待が浮かび上がった。

 九州の商業地で価格トップとなった天神木村家ビルの地価は前年比20・4%増。上昇率は前年を3・9ポイント上回った。同ビルが面する明治通りの向かいでは、福岡市が進める都心再開発事業「天神ビッグバン」の本丸と注目される福岡ビルの建て替え計画が進む。

 天神に隣接し、再開発計画の概要が発表された大名小跡地に近いあいおいニッセイ同和損保福岡大名ビルも、前年を7・6ポイント上回る19・7%増と高い上昇率を示した。不動産鑑定士の井上真輔氏は「再開発事業が動きだすと、周辺も賃料上昇への期待が高まる。博多駅周辺の土地需要はこれまで通り堅調だが、天神が盛り返している」と話す。 (石田剛)

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住宅地上昇、郊外にも波 大野城は伸び全国8位

 住宅地の上昇率で全国8位になった福岡県大野城市の地点は、西鉄春日原駅から約650メートルの徒歩圏内。福岡市中心部のマンションは価格上昇が続いて割高感が強まっており、都心部にアクセスが良い鉄道沿線の評価が高くなっている。

 住宅市場調査の住宅流通新報社(福岡市)がまとめた2017年のマンション販売動向によると、福岡県内の新築マンションの1坪(つぼ)(約3・3平方メートル)当たりの平均価格は173万2千円で、5年間で約46%上昇。相対的に手頃な同市周辺部に需要が広がっている。

 分譲マンション開発大手、大京九州支店の大枝康浩支店長は「地価と建築費の上昇でマンション価格は下がりにくい状況だ。郊外への地価上昇の波は当面続くのではないか」と話す。










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