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通商交渉、日米激突へ 「閣僚級」25日開催 日本、関税協議視野に「自動車除外」へ 妥協点探る

2018年09月23日 03時00分 更新

記者:塩入雄一郎


  • 米国などに向けて輸出を待つ自動車=川崎市川崎区の東扇島物流センター


 日米両政府が関税引き下げや投資拡大を見据えた通商交渉入りを視野に、2国間の協議を加速させることが22日分かった。11月に米中間選挙を控えたトランプ米政権は農畜産物の一層の市場開放を通じた対日貿易赤字の削減要求を強めており、対米関係を重視する安倍政権は一定の配慮を示さざるを得ない状況だ。合意できれば、米国時間26日午後(日本時間27日午前)に米ニューヨークで予定する日米首脳会談後に、日米が目指すべき今後の交渉の方向性を示す成果文書を公表する見通し。これに先立ち24日夕(日本時間25日朝)、茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表による閣僚級の貿易協議(FFR)がニューヨークで開かれ、協議が本格化する。

 政府が米国との協議に踏み切るのは、米トランプ政権が日本製自動車に対する関税引き上げをちらつかせ、自国に有利な2国間の自由貿易協定(FTA)入りを迫る様相を強めてきたからだ。だが、トランプ政権が満足する貿易赤字削減策を示さなければ、交渉は単なる時間稼ぎと受け取られ、逆に怒りを買いかねない。落としどころを探って日本は苦悩しそうだ。

 貿易赤字に神経をとがらせるトランプ政権が発動をちらつかせる自動車関税引き上げの根拠は、米通商拡大法232条。特定の製品輸入が米国の安全保障上の脅威と判断すれば、輸入制限措置を取れるとしている。日本側は「輸入車が安全保障の脅威というのは無理筋」(政府関係者)と反論するが、トランプ政権が聞き入れる気配はない。

 関税引き上げとなれば影響は甚大だ。大和総研の試算では、自動車・部品が25%の追加関税対象となった場合、日本企業に課せられる関税は2・2兆円増す。九州ではトヨタ自動車九州が生産台数の24%を、日産自動車九州と日産車体九州が43%を北米に輸出しており、打撃は避けられない。

 FTA交渉など米国からの圧力をかわす策として政府が参考にしているのが、米国と欧州連合(EU)が7月に合意した貿易協議。この協議では、EUが米国産液化天然ガス(LNG)などの輸入を拡大するほか、双方が自動車以外の工業製品の関税引き下げで一致した。EU側が譲歩した形だが、その見返りに米国による自動車関税引き上げの先送りに成功している。米国から防衛装備品やLNGの追加購入を検討する日本にとって「共通点があり、参考にすべきだとの意見がある」(政府交渉筋)。

 農業分野も難題だ。米国が離脱した環太平洋連携協定(TPP)が発効して11カ国間で関税が下がれば、関税引き下げが及ばない米国産牛肉の対日輸出は減少が予想される。米側が市場開放を迫ってくる可能性は高い。引き続きトランプ政権にTPP復帰を働き掛けたい政府だが、実現は望み薄。TPPの関税引き下げを限度に防戦する構えだが、自民党農林族幹部は早くも「TPP並みの譲歩を前提にした2国間交渉は認められない」とけん制している。










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