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走れ! 庶民の味方「ひのくに号」

2018年09月26日 03時00分 更新

記者:前田 淳


  • 前田淳(まえだ・まこと)
    1999年入社。社会部、熊本総局、編集センター、経済部、東京報道部、熊本総局を経て経済部サブデスク兼キャップ。福岡市出身。10月に5人目の子どもが誕生予定です。

 最近、訳あって週末に福岡と熊本を頻繁に往復している。移動に使うのは西鉄と九州産交バスが共同運行する高速バスの「ひのくに号」。時間帯によっては満席になることもある。

 2011年の九州新幹線鹿児島ルート全線開通後、福岡−熊本の高速バス利用者は増加した。九州運輸局によると、近年のピークは2015年度の153万人。全線開通前の10年度との比較で2割強伸びた。

 理由は新幹線と比較した料金の安さ。全線開通によって在来線特急が廃止されたこともあり、時間に余裕がある利用者を取り込んだ。

 ただ、一本調子ではないようだ。16年度は熊本地震の影響もあり、前年度比で利用者は約1割減少。その後の回復も鈍く、今年4月に「ひのくに号」は4枚つづり回数券を6580円から7400円(1枚当たり1850円)に値上げした。

 同時にスマホで購入する4枚つづりの回数券「バスもり」も導入。「バスもり」の1枚当たり料金は1750円に抑えた。九州新幹線の最安値は、7日前までに予約が必要で、各駅停車「つばめ」限定の2350円(つばめに限定しない「九州ネット早特7」は2570円)。新幹線と比べなお料金面では優位を保つ。

 所要時間約2時間は新幹線の最短32分には劣るものの、熊本市内では、県庁など主要バス停に止まりながら、終点の熊本交通センターや熊本駅に向かう。熊本駅からの移動時間を考慮すると、目的地によっては所要時間の差もある程度は縮められる。

 停車バス停が少ない「スーパーノンストップ」を中心に、「植木インターチェンジ経由」「福岡空港行き」の3系統合わせて1日100往復を運行。新幹線の57往復と比べ本数も多く、気軽に乗れて自由度が高いことも高速バスの魅力だ。

 一方、九州新幹線の博多−熊本の輸送密度(1日1キロ当たりの平均利用人員)は、17年度は1日平均2万7579人と全線開通前と比べ5割強伸びた。新たな需要を生むとともに、利用者も移動手段を賢く使い分けている様子がうかがえる。

 1962年に運行を始め、幾度の荒波を乗り越えてきたひのくに号。新幹線との厳しい競争は今後も続くが、われわれ“庶民の味方”として元気に走り続けてもらいたい。










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