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もう一つの「災害」豚コレラ 私たちにできること

2018年09月27日 03時00分 更新

記者:塩入雄一郎


  • 塩入雄一郎(しおいり・ゆういちろう)
    1977年鹿児島市生まれ。佐世保支局、筑豊総局、釜山駐在、社会部などを経て、2017年8月から東京支社。厚生労働省、文部科学省、環境省を担当。単身赴任は2度目でも独り暮らしに全く慣れず、毎週末に家族に必ずテレビ電話をかけている。

 農林水産省の職員たちはここ数カ月、ずっと災害対応に追われている。豪雨、台風、地震と相次ぎ「異常が常態化している」(農水幹部)との声も。そんな中、農水省がもう一つ恐れる”災害”がある。

 岐阜県の養豚場で9日に発生した「豚コレラ」だ。

 感染経路が不気味だ。国内での発生は1992年の熊本県以来。日本では2015年、「完全に豚コレラを根絶した」として、豚コレラ清浄国として認定されている。国内の発生源はないと考えていい。

 今、隣国の中国ではアフリカ豚コレラが猛威を振るうが、農水省の調査結果では、日本で発生したのはこれとは別物だった。一方で、今回のウイルスは過去に日本で発生したケースとは遺伝子の配列が異なり、海外から侵入した可能性が高いという。

 養豚場の周辺では、死んでいた複数の野生イノシシからウイルスが見つかっている。野生のイノシシが海外由来のウイルスを養豚場に持ち込んだとみられるが、なぜ海に面していない岐阜なのだろうか。「今や日本は毎年2千万人を超える外国人が訪れる。ウイルスの侵入を完璧に食い止めることは不可能で、どこで発生してもおかしくない」と言う官僚もいる。

 農水省の発表では、発生農場の防疫措置は11日に完了。農水省は全都道府県に防疫強化を通知した。だが岐阜では、報告の遅れや死んだ豚を堆肥処理をするなど、ずさんな対応も浮き彫りになった。次の感染は起こさないとの強い意志で対応してほしい。

 九州に目をやると、宮崎、鹿児島は全国有数の養豚地帯である。畜産農家は過去に口蹄疫や鳥インフルエンザなどにも苦しめられてきた。農業に従事していない私たちちも、海外から肉製品を必要以上に持ち込まないことなどで防疫に協力できる。

 ただ、忘れてはいけないのは豚コレラに感染した豚を食べても人間には影響がないということ。必要以上に怖がらないことも重要だ。










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