ようこそ ゲスト様

qBiz 西日本新聞経済電子版

無職になった元飲食店マネジャーが見つけた答え スタートアップ都市・福岡でグルメサイトに挑む

2018年10月02日 03時00分 更新

記者:山田育代


  • 「La Vita」のサイト。スマートフォン向けにすることで制作経費を抑えられた

「自尊心はボロボロ。でも」

 今は小さな店もSNS(会員制投稿サイト)を使っているが、個別の情報発信には限界もある。松岡さんは「それなら、それぞれの店のSNSを集めたようなポータルサイトを作ればいい」と考えた。

 だが、自分のアイデアがものになるのか、立ち上げに必要な費用も分からない。企画書も名刺もないまま、ネットで「ウェブ制作会社」と検索して400社近くにメールを送った。

 返信があったのは4社。その中で1人だけ「面白い」と言ってくれる人がいた。「とにかく人に会いまくれ」というアドバイスに従い、人が集まるところに出掛けては思いを伝えた。「誰が使うの」「現実的じゃない」と厳しい声が多かったが、語ることでアイデアは磨かれ、コンセプトが固まっていった。

 「店が今発信したい情報を速く、低価格で」を実現するため、店側がスマートフォンで記事や写真を投稿すれば、最短5分で更新される仕組みに。雨が降り始めて5分後には「雨の日割引」を発信できる手軽さだ。ライターやカメラマンが必要ない分、掲載料は低く抑えられ、年額3万円以下に設定した。大手サイトなら少なくとも月額数万円だ。

 加盟店は現在60店。飲食店だけでなく、スポーツクラブやエステ店などにも広がっている。しかし、生き残るためには、この1年で300店、2年目で1000店が必要。松岡さんは朝から晩まで飛び込み営業に駆け回っている。

 「ほとんどが門前払い。自尊心はボロボロですよ」

 でも20軒に1軒くらいは「波長」の合う人がいる。「へえ、前は飲食やってたんだ。頑張って」。小さな共感が少しずつ広がり、ファイナンシャルプランナーや歯科医など専門家約30人もコラムを提供してくれるようになった。

 「地域密着で店もお客さまもウィンウィンのサイトにしたい。絶対、小さな店の役に立てるはず。そのためにできることは何でもする」

 松岡さんの新たな人生は、まだ始まったばかりだ。


「La Vita」の魅力をアピールする松岡耕平さん









特集 qレポートの最新記事



そもそもqbizとは?

Recommend

ランキング

Recommend

特集 最新記事

コラム 最新記事