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市販弁当は1年後、食べる場所で税率が変わる!?

2018年10月02日 03時00分 更新

記者:山本 諒


  • ある日の記者の昼食。消費税率がアップする1年後、買った弁当を職場や公園で広げる機会が増えるかもしれない(撮影・山本諒)

  •  山本諒(やまもと・りょう)
    東京都調布市出身。2015年に入社、筑豊総局で3年間勤務し、18年8月から経済部で流通・食品業界を担当している。舌が九州の食文化に染まってきたが、無性にしょうゆ味のラーメンと濃い麺つゆのそばが食べたくなる時がある。

 今日のランチは何にしよう? 昼休みはサラリーマンにとって、午後以降の仕事を乗り切る重要な補給時間。福岡市・天神で働く私の場合、普段は飲食店に足を運ぶことが多く、デパ地下やコンビニで買った弁当で済ますことはまれだったが、1年後はどうなるか分からなくなった。
 ⇒消費税増税まであと1年

 来年10月1日、消費税率が現行の8%から10%に上がる。これに伴い導入されるのが軽減税率制度。市販の弁当は「酒類・外食を除く飲食料品」として税率は8%に据え置かれる。少しでも家計負担を軽く、と考えるのが消費心理。改定後はこのお得感にひかれ、弁当族が増えそうな気がする。問題は弁当を食べる場所。状況次第では「外食」となり、軽減税率の適用外となる。

 国税庁によると、外食とは「食事の提供」であり、詳しく言えば「食事の提供を行う事業者が、テーブル・いすなどの飲食に用いられる設備がある場所に置いて、飲食料品を飲食させる役務の提供」。しかし、どこからどこまでが「外食」か、線引きはあいまいだ。

 例えば、屋外駐車場などに出店するキッチンカー。たこ焼きなどを買って持ち帰り、自宅や職場、公園などで食べれば、消費税率は8%のままだ。しかし、店側が用意したテーブルやいすで食べると「食事の提供」になり、消費税は10%になるという。

 事業者が用意するいすやテーブルが関係するわけだが、列車内だと勝手が違う。観光列車などの食堂車で食事すれば税率10%だが、車内販売で駅弁を買い、テーブル付きの自席で食べれば8%。駅弁の車内販売は「飲食料品の譲渡」とされ、外食扱いしないらしい。

 厄介なケースもある。例えば複数の飲食店が出店し、広いイートインスペースを共有する大型商業施設のフードコート。中にはテークアウト商品を扱う店もあり、そこで購入時に店内飲食かテークアウトか聞かれ、「店内」と答えれば10%、「テークアウト」なら8%に。税率を決めるのは客の申告。正直に「店内」と答えた客が損と感じる事態も起き得る。

 近年、身近なスーパーやコンビニ、デパ地下にもイートインスペースを備えた店が増え、こちらでもフードコートと同じ申告を求められるらしい。私はこの日、デパ地下で買った弁当をテークアウトし、イートインを素通りして近くの公園へ直行。公園のベンチで弁当を広げると、職場の同僚や取材先に目撃されたときの気恥ずかしさも想像したが、1年後のお得感を思い浮かべるとそんな心配は吹っ飛び、妙においしくいただいた。










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