ようこそ ゲスト様

qBiz 西日本新聞経済電子版

タイラギ人工授精に成功 稚貝確保安定化、品種改良にも弾み 三重の国立研究所

2018年10月07日 03時00分 更新

記者:塩入雄一郎


  • 人工授精卵からふ化、成育したタイラギの稚貝(大分県農林水産研究指導センター提供)

 有明海で不漁が続く高級二枚貝タイラギの人工授精に、国立研究開発法人水産研究・教育機構増養殖研究所(三重県)が初めて成功した。これまで壁になっていた卵を受精可能な状態に熟成させる技術を確立した。繁殖時期がばらつく自然受精に比べて安定的に稚貝を確保できるほか、環境変化に強いタイラギへの品種改良に弾みがつくことも期待される。

 研究所は2016年度から3カ年で人工授精の技術研究に取り組んでいる。タイラギなどの二枚貝は雌貝の卵巣から取り出した卵を熟成できず、人工授精ができなかったが、卵をビタミンA関連化合物のレチノイン酸を溶かした海水に浸すと、受精可能な成熟卵になることが分かった。

 タイラギの雌貝20個を使い、この方法で実験したところ、2年連続で300万個以上のふ化に成功した。今年8月には大分県農林水産研究指導センターの協力で、ふ化した幼生が稚貝になるまで成育したことを確認した。

 レチノイン酸は、動物がビタミンAを代謝する際に作られる物質。皮膚の治療薬にも使われており、安価で手に入れやすい。この方法で人工授精すれば、高い確率で受精卵が得られることから、親貝の数も少量で済む。研究所の松本才絵主任研究員は「タイラギの品種改良や安定的な養殖につながる大きな研究成果だ」と話している。

 タイラギは有明海のほか瀬戸内海や伊勢湾など国内の沿岸に広く生息。だが1990年代以降に激減し、有明海のタイラギ漁は6季連続で休漁となっている。










九州経済 ニュースの最新記事



そもそもqbizとは?

Recommend

ランキング

Recommend

特集 最新記事

コラム 最新記事