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qBiz 西日本新聞経済電子版

中国の成長率が減速6.5% 7−9月、米中貿易摩擦も影響

2018年10月20日 03時00分 更新



  • 日用品や玩具などの店舗が並ぶ浙江省義烏市の卸売市場。貿易摩擦の影響を受けている業者も少なくない=18日

 【北京・川原田健雄】中国国家統計局が19日発表した今年7〜9月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比6・5%増にとどまった。伸び率は4〜6月期から0・2ポイント低下し2四半期連続の減速。リーマン・ショック後の2009年1〜3月期(6・4%)以来、9年半ぶりの低成長となった。固定資産投資が鈍ったほか、米中貿易摩擦の影響も出始めている。

 1〜9月期の成長率は6・7%となり、通年の政府目標である「6・5%前後」は引き続き上回った。今後、貿易摩擦の影響がさらに顕著になれば、10〜12月期は6・5%を割り込む可能性もある。

 国家統計局の毛盛勇報道官は記者会見で「米国との貿易摩擦で不確実性が高まり、景気は下押し圧力に直面している」と懸念を表明。その上で、景気対策を強化して経済の安定を保っていく姿勢を強調した。

 GDPと同時に発表した1〜9月の主要指標は、企業の設備投資を含む固定資産投資が前年同期比5・4%増加。伸び率は1〜6月の6・0%から減速した。特に道路や空港などのインフラ投資は3・3%増にとどまり、1〜6月の7・3%増から大幅に縮小した。

 スーパーやインターネット通販などを合計した小売売上高は9・3%増となり、1〜6月から0・1ポイント鈍化。個人消費にも陰りが見え始めた。また、9月の鉱工業生産は前年同月比5・8%増(8月は6・1%増)に低迷。貿易摩擦が製造業に打撃を与えている実態を浮き彫りにした。

   ◇   ◇ 

米国向け販売半減、原材料費5割増し 「嵐が過ぎるのを待つしか…」 浙江省・巨大卸売市場ルポ 

 米国と中国が互いの製品に高関税をかけ合う貿易戦争に突入して約3カ月。影響は中国の国内総生産(GDP)にも表れ始めた。18日、日用品や雑貨を扱う中国浙江省義烏市の卸売市場を訪ねると、米国向け商品の売り上げ減少や原材料費の高騰に戸惑う中小業者の姿が見られた。

 義烏市中心部から車で約30分。「世界最大の卸売市場」と言われる中国義烏国際商貿城には日用品やおもちゃ、家電などを扱う卸売業者のブースが軒を連ねていた。パンフレットによると、7万5千店余りが約180万種類の商品を販売しているという。

 「貿易戦争の影響? そりゃあるよ。米国向けの商品は売り上げが半減した」。サンタの置物などクリスマス用品を販売する店舗の男性は表情を曇らせた。

 トランプ米政権は7月以降、3回に分けて中国製品に制裁関税を発動。9月の制裁第3弾で、対象となる中国製品は中国からの輸入品総額の約半分に当たる2500億ドル(約28兆円)相当に膨らみ、男性が販売する装飾品も制裁リストに加わった。「これまで買い付けに来ていた米国の小売業者が姿を見せなくなった。新しい商品を開発して他の国に売るしかない」とため息を漏らした。

 樹脂製のクリスマスツリーを販売する女性は「貿易戦争の影響はあるけど、ツリーを買いに来る業者は世界中にいるから…」と言葉少な。中国政府は「貿易戦争の影響は軽微」と繰り返しており、中国メディアも関連報道を厳しく統制されている。当局に目を付けられないよう用心しているのか、口の重い店主が多い。

 影響は米国向け商品を扱わない業者にも及ぶ。中国政府は米国からの輸入が多い製紙原料の古紙に25%の追加関税を発動。輸入古紙の品質基準を厳しくした環境政策とも相まって製紙原料は高騰している。卸売市場で贈答用飾り箱を販売する女性は「原材料費が昨年と比べて一時、5割も上がった。卸売価格に転嫁せざるを得ない」とこぼす。

 包装用紙店の女性は「原材料費は値上がりしたけど、買い付ける小売業者が減らないよう卸売価格には上乗せしていない。利益は減るけど仕方ない」と明かした。トランプ米大統領は「第4弾」として、残り全ての中国製品にも追加関税を課す姿勢を示している。「先行きは分からない。今は嵐が過ぎるのを待つしかない」。女性の表情が険しさを増した。 (義烏・川原田健雄)










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