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福岡産ニンニクで食フェス 東京の広告マンが仕掛けた事情

2018年10月28日 03時00分 更新

記者:木村貴之


  • ニンニクを手に「福岡産“超”にんにくフェス2018」をPRする曽我将さん(左)と山本周平さん=福岡市・天神(撮影・木村貴之)

  • 仕事帰りのサラリーマンやOLらでにぎわう「福岡産“超”にんにくフェス2018」の会場=福岡市・天神の西日本新聞会館屋上

  • 18種類のニンニク料理と25種類の飲み物が全品500円均一。にんにくの丸揚げ(左下)とガーリックチキン(左上)、スパークリングワインカクテル(右)は味の相性もインスタ映えも良さそう

 秋の風物詩といえば食フェス。福岡市ではビール祭りやはしご酒企画などが浸透する中、後発ながらなかなかの盛況ぶりを見せる食フェスがある。福岡産ニンニクを使った創作料理やスイーツを提供する「福岡産“超”にんにくフェス」。福岡ってニンニクの産地だっけ?と疑問もよぎるが、気になるのは舞台裏。仕掛け人は東京の広告マンなのだ。
 ⇒福岡産ニンニクで創作料理&スイーツ

 大手広告代理店から独立し、2014年に都内で会社設立した曽我将(すすむ)さん。WEB広告の企画・制作を本業に、「その傍ら」として「食フェス主催」を掲げる。「祭り好きだから」と笑うが、本音は別にあるようだ。愛知県出身。なぜ福岡産ニンニクなのか。きっかけは4年前。独立後の初仕事が福岡県久留米市の健康食品メーカーの広告制作で、原料は同県八女市で生産された無農薬ニンニクだった。

 ニンニクといえば流通量の大部分を中国産が占め、シェアは「8割超」とされる。国産なら青森県がトップ。農林水産省の統計で16年収穫量は全国約2万トンのうち1万4200トンに上る。福岡産は全国12位で「上位」に映るが、収穫量はわずか200トン。「青森以外はドングリの背比べ。九州で福岡が突出しているわけでもない。なのにフェスで産地を支援してくれるとは。いい励みになる」と福岡県農林水産部は歓迎する。

 「加工品としても食材としても、僕と相性が良かった。福岡産ニンニクは香りが強く、新陳代謝や糖質分解を促し疲労回復や美容にいい成分・アリシンを豊富に含む。国産は外国産の10倍近い価格で敷居が高そうだけど、安全・安心で何よりおいしい。国産をアピールしたくなった」と曽我さん。早速、福岡産ニンニクを使った食フェス開催を思い立ち、企画を進める中、急きょ米国に飛んだ。

 向かったのはカリフォルニア州中西部に位置し、米屈指のニンニクの産地で知られるギルロイ市。目当ては、ここで毎夏開かれる「ギルロイ・ガーリックフェスティバル」だ。広大な広場にニンニク料理の屋台が無数に並び、ロックやジャズ、ゴスペルなどのライブイベントも催される祭り。「地産地消型フェスの先進例。ニンニク風味のポテトばかり目に付いたのは残念だけど、吸引力のすごさは刺激になった。動員数は3日間で20万人。人口5万人前後の小さな街に4倍もの人を引き寄せるのだから」。曽我さんは興奮気味に振り返る。

ニンニク料理を楽しんだ後、ニンニクの山を囲み記念撮影をする来場客。フェス体験はSNSで広く発信される?(撮影・木村貴之)
会場では地元ミュージシャンらが登場するステージイベントも。エンターテインメントの追究は米ギルロイのフェスを参考にしている
木村貴之(きむら・たかゆき)<br />
1994年から西日本新聞記者。趣味は釣りとエレキギターの手入れ。好きな映画は「椿三十郎」「八つ墓村」「ナチョ・リブレ」。音楽はレッド・ツェッペリン「貴方を愛しつづけて」、寺井尚子「ジャズ・ワルツ」、里見洋と一番星「新盛り場ブルース」









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