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静かに30周年を迎えた「荒津大橋」 必然が生んだ、福岡のランドマーク

2018年11月04日 03時00分 更新

記者:福間慎一


  • 海に面した街・福岡のランドマークと言っても過言ではない荒津大橋

  • 夕暮れ時には、違った表情を見せる

  • トラス橋(参考)。もし荒津大橋がこの形だったら、風景はかなり違っていただろう

 福岡では来年、さまざまな「30周年」の節目ラッシュだ。1989年の「アジア太平洋博覧会」に合わせて建設された福岡タワーがその代表だろう。ソラリアプラザもイムズも、ついでに言えばプロ球団のダイエーホークス(当時)も、この年にやってきた。

 その前年、バブルまっただ中の88年に完成し、先日、10月31日に供用開始から丸30年を迎えたのが、福岡都市高速道路にかかる「荒津大橋」だ。

 商業施設や鉄道路線、はたまたスポーツチームなら「30周年」とくれば節目を振り返るさまざまなイベントや報道が彩りを添えることが多い。しかし道路橋というインフラである荒津大橋に関してはそんな動きはなく、誕生日の10月31日は実に静かに過ぎていった。

 今や福岡の街を象徴するような爽快感を演出するランドマークでありながら、架かっていて当たり前の“空気”のような存在。今回はこの橋にスポットを当てて、個人的にお祝いする。

足もとにも頭上にも制約

 福岡市中央区那の津と同区荒津を結ぶ全長345メートルの荒津大橋。その形式は「 3 径間連続鋼箱桁斜張橋(さんけいかんれんぞくこうはこげたしゃちょうきょう)」という。 橋脚と橋脚の間が三つあり 、そこに箱の形をした 鋼製 の橋(道路)が連なっている斜張橋」という意味だ。

 塔から出たケーブルで道路をつって支える斜張橋は景観に彩りを添えることから、長崎市の女神大橋など国内にも多い。荒津大橋は九州初の本格的な斜張橋で、翌年に完成した横浜市のベイブリッジは荒津大橋の弟、ともいえる。

 海沿いの景色にマッチする爽快な橋だが、福岡北九州道路公社(福岡市東区)によると、地形や地質、気象など全ての橋で考慮すべき条件に加えて、建設にはさまざまなハードルがあったという。

 この橋が架かっているのは、博多漁港の入り口にあたる部分。港には造船所(福岡造船)もあり、建設にあたり求められたのは、次の条件だった。

▽海上保安庁が定めた航路幅100メートル
▽造船所で建設される最大船舶が航行できる余裕がある桁下の高さ39メートル
▽航空法に基づく高さ制限で、構造物の最高地点を105メートル以内に

 足元も頭上も制約を受けた橋。実は当初は鉄道橋によく用いられるトラス橋も検討されていた。

橋を支えるケーブル。橋の上は風が吹きつけ、少し怖いぐらいだった
右奥に見える福岡のビル街を背景に、主塔の点検を行う作業員(今年1月、福岡北九州高速道路公社提供)
荒津大橋の真下で釣り糸を垂らす徳永利夫さん
荒津大橋の真下で釣れたクロ
福間慎一(ふくま・しんいち)<br />
福岡市生まれ、2001年入社。文化部、長崎総局、本社報道センターなどで記者。1年間のヤフー出向を経て17年9月からqBiz編集長。特技は居酒屋のメニューを指1本でくるくる回すこと。









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