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温泉水のようかん、街の名物に 創業95年の菓舗やつだ屋 佐賀市富士町

2018年11月11日 03時00分 更新

記者:平原奈央子


  • コーヒーようかんを練り上げる八田英俊さん

  • 古湯温泉とともにあり続ける「菓舗やつだ屋」。3代目の英俊さんと母の千枝子さん

 紅葉に彩られた温泉街でふらり、湯気に誘われ店に入ると、大きな釜がぐつぐつ香ばしく煮立っていた。佐賀市富士町古湯の「菓舗(かほ)やつだ屋」は、温泉水で作るようかんが名物。創業95年の老舗で、昔ながらの手作りにこだわっている。

 「底が焦がれんよう、こうして練るとです」。三代目店主の八田英俊さん(69)が棒で釜の中をじっくりと練る。定番の味はクリ、柿、茶に加え、幅広い世代に人気のコーヒー味。佐賀市の「いづみや珈琲」のコーヒーを温泉水でドリップし、寒天とグラニュー糖を入れる。これに大手亡(おおてぼう)(いんげん豆)の生あんこを加え、2時間根気よく練り上げる。

 のれんを掲げたのは1923年。福岡県宮若市の炭鉱地で菓子店をしていた祖父の栄吉さんが開店し、母の千枝子さん(92)が2代目に。古湯温泉のみやげ物店として親しまれ、コーヒー味は35年前に英俊さんが開発した。「和菓子が下火になり洋菓子ブームが始まったころ。やけどしながら試作を重ね、納得がいく味にたどり着きました」

 口に含むとコーヒーの香りがぱっと広がり、あんこのほっくり、もちもちとした歯ごたえが余韻を引く。切って冷蔵庫に入れておけば昔ようかん風のシャリシャリ感も楽しめる。今年の春には福岡市のカフェ「シードビレッジ」の豆を使ったコーヒーようかん2種も作った。その名も「珈琲の予感」と「FULL YOU」。「ほろ苦く、甘い恋の味がする」らしい。

 夏の猛暑日もいてつく冬の日も釜に向かう。力の源は産湯にも使った古湯温泉。尊い温泉水で作るようかんは依頼に応じてキクイモ味やユズ味も作り、ユリ根を使った菓子「山ゆり」も愛されている。

 佐賀市富士町古湯842。営業は午前7時半〜午後7時半、不定休。菓舗やつだ屋=0952(58)2520。










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