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「ワンチャンいける」19歳社長のエモい野望と余裕 イケてない政治をアプリ、トークンで変える

2018年11月09日 11時00分 更新

記者:三重野諭


  • PoliPoli社長の伊藤和真氏。福岡市役所の前で

 37歳のおっさん記者から見た19歳は「新人類」だった―。すでに死語だが、語彙の限りで一番しっくり来る表現だ。

 市民と政治家のコミュニティをつくるスマートフォンアプリ「ポリポリ」。開発・運営をする企業「PoliPoli」の社長で、起業の中心となった伊藤和真氏(19)と初対面した時の印象だ。慶応大商学部の2年生でもある。

 18日に投開票される福岡市長選の特設ページが、ポリポリのアプリ内に作られている。その企画の準備で西日本新聞社を訪れた伊藤氏。オンラインで事前に話していたとはいえ、Tシャツ姿の19歳は開始から数分で打ち解け、ベテランの社員たちと気さくに渡り合っていた。

 4日には高校生を中心に福岡市で10代、20代を集めたアイデアソンを実施。「屋台」「朝課外」「性犯罪の抑制」などについての学生の提言に、審査員的な立場で建設的なコメントを次々と返した。

 何なんだ、この余裕は。決して尊大、失礼ではない。受け答えは丁寧で、こちらの話もよく聞く。チャットの応答も早い。それでいて、言うべきことは臆せずはっきり言う。

 彼の「余裕」のベースは何なのか。

トークンを使ってアプリ利用の動機づけ

 「ポリポリ」は市民や政治家などが意見や質問を投稿し、他のユーザーの意見を募るアプリ。「地方交付税って何のため?」「福岡市の屋台は存続できる?」など幅広い意見が交わされている。

 地方議員を中心に150人以上の政治家が登録し、中には積極的に使う議員も。9月の沖縄県知事選では立候補した4陣営のうち、3陣営がユーザーの質問に答えた。

 ただ現状では、従来のSNSを超えるような機能を持ち合わせているとは言い難い。最大の企ては「トークン」(代替貨幣)でアプリ利用の動機づけをしようとしている点にある。

 仕組みはこうだ。まず投稿に「いいね」が多く付くと、市民ユーザーの「信頼スコア」が上がる。信頼スコアが高い人ほど、トークンが多くもらえる。ただ、信頼スコアの機能は既に実装されているが、トークンの配布開始時期はまだ決まっていない。

 「いいね」が多いほどトークンがもらえるため、投稿を促したり、投稿の質を上げて誹謗中傷や荒らしを未然に防いだりすることができる。さらに、そのトークンを贈って政治家を応援する「献金」のような機能を持たせることも計画している。

 「今でも、政治とか別にあんま興味なくて」と語る伊藤氏。ポリポリ開発のきっかけは、大学入学後のある成功体験だった。

 「俳句がすごく好きで。フィードバックをもらいたかったけど、周りに俳句やってる友達もいなかった。投稿やシェアする場がないから自分で作ろうと思って」

福岡市でのアイデアソンを訪れ、高校生らの発表を見守る伊藤氏
福岡市でのアイデアソンで発表する高校生ら。伊藤氏は若者をユーザーにすべく、リアルのつながりにも積極的だ









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