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中国「未富先老」の憂い 一人っ子政策が生んだ“421社会”のひずみ 趙さんの瀋陽来信(5)

2018年11月19日 03時00分 更新

記者:チョウ・イーリン氏


  • 趙 ●琳(チョウ・イーリン)氏
    1979年中国・瀋陽生まれ。大学卒業後の2002年に来日し、2008年に東工大院社会理工学研究科を修了。博士(学術)。現在は、富士通総研経済研究所の上級研究員。好きな言葉は、老子の言葉「千里之行、始于足下」(千里の道も一歩から)。趣味は、休日に家族と気軽におしゃべりをしながらの山登り。
    ※●は「偉」のにんべんが「王」へん

 「听说日本是宽松教育,小学生都没有作业吗?」(日本はゆとり教育だから、やはり小学生には宿題がないの?)

 Wechatを通じて、中国・瀋陽の友達からメッセージがあった。公立小学校に通う子どもを持つ私にとっては、最近よく聞く話題だ。

 「宿題がないことはないけれど、私たちの小学校時代と比べると、格段に少ないかもしれないね」と答えた。

 すると友達は、「中国の小学生はゆとり教育に変わったよ。でも宿題が減るはずなのに、全然変わらない。ただ下校時間が早くなっただけ。共働きで本当に困っているよ(*_*)」。とても悩んでいる様子だった。 

 この夏、瀋陽へ帰省中、友人たちが育児や教育の難しさを語る姿をよく目にした。

 別の友達は「高い『学区房』を買うかどうか、迷っているよ」と話す。

 「学区房」とは良い学校がある学区内のマンションのこと。入学前のわが子のために、それを購入するかどうか、という意味だ。

 都市部では、余裕のある家庭では小学校に上がる前に、その「学区房」を購入するのが一般的。北京や上海ほどではないが、瀋陽の「学区房」も不動産価格の平均値より2倍ほど高い。

 「インターナショナルスクールに入学させたけどが、年間100万円前後の学費を高校まで負担できるか心配…」。そんな声も聞く。

 年収400万円の家庭で、その4分の1を子どもの学費に投入しているというのだ。しかし、学費以外に習い事や塾、海外語学研修など、お金が必要な場面がたくさん出てくるため、これからの不安や心配は多い。

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 中国における育児や教育の難しさには様々な要因があるが、その最たるものは1983年に実施された「一人っ子政策」だろう。

瀋陽にあるマンションの敷地内で子育てをしている女性たち
中国の塾の広告。真ん中の紙には「低学年(1年から3年)/1数学、算数オリンピック/2国語、絵を見て作文/3英語、音読、教科書に基づく学習/4英会話、ディズニー映画――などとある<br />
マンション敷地の中に設置された郵便受け。自宅にいなくても届け物を受け取れ、両親ともに仕事に出ているのが一般的な中国ではしばしば目にする









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