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テクノロジー×「温かさ」で国境を越える ある台北スタートアップの展望 台湾で急成長、日本も視野

2018年11月20日 03時00分 更新

記者:福間慎一


  • 「日本市場をとても重視している」と語る游社長

  • 多くの人が訪れた「Meet Taipei」の会場

  • 空港でツアートークのサービスを利用。すぐにスタッフの男性につながり、質問に答えてくれた

 台湾・台北市で15〜17日に開かれた大規模なスタートアップ企業イベント「Meet Taipei」。新たなビジネスにチャレンジする現地企業のトップは何を重視し、どこを目指しているのか。旅行客向けのオンライン通訳アプリを展開する「訳遊科技」(台北市大同区)の游士逸(Jimmy Yiu)社長に聞いた。

→アジア“最強”のスタートアップ地帯の熱気 最大級イベント「Meet Taipei」と牛肉麺

 同社が開発するアプリ「TourTalk」は、スマートフォンのチャットやビデオ通話機能を使い旅先で通訳を手助けするサービス。中国の企業が2016年に始め、昨年12月に独立。ダウンロード数は90万件を超え、現在は約9万人の会員がいる。台湾を拠点に中国語、日本語、韓国語、英語の各言語間の通訳に対応する。

 サービスの特徴は、通訳を人間のスタッフが行う点だ。1000人が登録しており、同社のオフィスで「働きたい時間だけ働く」仕組みという。利用者は5〜10日の期間を選び、音声やビデオ通話を使い、何度でも通訳を依頼することができる。

 游社長は「例えば、日本で財布を落としたら駅に電話して探す手伝いができる。神社で引いたおみくじを訳すこともできる。その場に応じた、AIではできない温かいサービスが私たちの信念だ」と説明する。「初めて東京を訪ねたある女性は、5日間で160回電話をしてきた。スタッフが旅行者の方を心配するようになって、自分から残業を申し出たほどだった」と笑う。

 同社は観光客を受け入れる側の課題解決策も提示する。台湾政府の観光局と提携して、ディスプレーとスピーカーを備え、通話が可能な機器を開発、6カ所の観光スポットで導入した。ホテルなどでの導入も広がっている。

 最重視しているのが日本市場だ。「台湾人にとっても中国人にとっても、日本はとても大事な旅行先。私たちは日本でのパートナーを探している」と游氏。東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年までの進出を期しているが、「(多くの企業がサービスを展開する)日本で成功するには長い時間かかる」と口元を引き締める。

 スタートアップに必要な要素とは――。游氏は「台湾の企業にとって最大の壁は『資金』。台湾で十分な資金を集めるのはなかなか大変で、世界の人に見られて、知ってもらうことがまず大事」と即答した。それでも、こう付け加えた。

 「5年前に比べるとだいぶ状況は良くなった。一方で、台湾のスタートアップも、厳しい環境の中でローコストでのスタートアップに強くなっている」

サービスについて説明する游社長










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