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「ゲド戦記」作編曲、寺嶋民哉の“見せる”音楽 二胡奏者・野沢香苗のアルバム製作で描く世界とは

2018年11月22日 16時00分 更新

記者:木村貴之


  • 福岡市であったコンサートで新譜収録曲などを演奏する二胡奏者・野沢香苗。ステージには寺嶋民哉(右)もキーボード奏者として登場、野沢の演奏をサポートした=11月中旬(撮影・木村貴之)

  • 福岡市であったコンサート終了後、野沢香苗の初のボーカルアルバム「空の記憶」について語る寺嶋民哉(左)と野沢=11月中旬

 スタジオジブリ作品「ゲド戦記」(2006年)の音楽を担当した熊本県出身の作曲家、寺嶋民哉(60)がサウンドプロデューサーを務めた二胡奏者、野沢香苗のアルバム「空の記憶」が12月1日にリリースされる。2人のタッグは3作目で、野沢にとっては初のボーカルアルバム。映画音楽の第一線で活躍する寺嶋と、中国伝統の弦楽器による新たな表現を目指す野沢にとって、特別な作品になりそうだ。

 寺嶋は南小国町生まれ。熊本市の中高時代はトランペットに慣れ親しんだが、高卒後はキーボードに転向して地元のロックバンドに加入、一時は浜田省吾のバック演奏も務めた。バンドの傍ら本格的な作曲活動も始め、CM音楽などを積極的に手掛けた。1991年に単身で上京、ゲームや映画の音楽で好評を博す。特にシンセサイザーを駆使したオーケストレーション(オーケストラに通じる作・編曲法)が高く評価され、映画「半落ち」(2004年)では日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した。

 こだわり続けるのは映像が浮かぶ音楽だ。「自然や街並み。色でもいい。映像が浮かんだら作曲の5割は出来上がる」。幼少期に原体験がある。5歳のころ、南小国の自宅で1枚のレコードをすり切れるほど聴いた。米映画「ベン・ハー」(1959年)のメインテーマのシングル盤。「映画を見たこともないのに広大な風景が思い浮かび、楽しくてたまらなかった」

 野沢との出会いは10年前。アニメ音楽の制作で初めて顔を合わせた。「二胡を演奏してもらうと、音色は美しいのに音の芯が太く、力強い。しかも西洋の要素もある。表情豊かな演奏力と作曲能力に驚いた」

 2014年、プロ・アマやジャンルを問わず国内外のクリエーターと作品を生み出すプロジェクト「PLANET TERRA」を設立。野沢の5枚目アルバム「PLANET」がプロジェクト第1弾となった。豊かな自然に恵まれた架空の惑星を女性が旅する物語を、重厚でスケール感のある演奏で描くコンセプトアルバム。17年には続編「BRAVE」を発表し、その惑星で遠い昔にあった戦乱の時代を旅人が振り返る物語を数々の曲でつづった。

寺嶋民哉をサウンドプロデューサーに迎え、二胡奏者・野沢香苗がリリースする初のボーカルアルバム「空の記憶」(2500円)
コンサート終了後、リラックスした表情をファンに見せる寺嶋民哉(右)と野沢香苗=11月中旬、福岡市(撮影・木村貴之)









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