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「日本で働く好機」歓迎 ベトナム人留学生・ホアンさん 入管法改正

2018年12月08日 03時00分 更新


  • 進学、就職を目指して日本語を学ぶチャン・ミン・ホアンさん(奥)=6日午後、福岡市南区の福岡日本語学校

 技能実習を経験してベトナムに帰国したチャン・ミン・ホアンさん(26)は昨夏、「便利できれいな日本でまた暮らしたい」と再来日した。今は福岡市で日本語を学び、進学、就職を目指す。周囲の留学生たちは「外国人材受け入れ拡大へ」というニュースを注視しているという。「友人はみんな賛成」。日本で働きたい外国人の間には、新たな在留資格「特定技能」への待望論もある。

 経済発展が遅れたベトナム中部のミンリ出身。カラオケ店を営む母の元を離れ、2012年12月、技能実習生として初来日した。行き先は静岡県の自動車部品製造工場。100人以上のベトナム人実習生とともに、ハンドルの軸部分の組み立てに従事した。

 母国で学んだ日本語教師はベトナム人。発音が悪く、最初は日本人に通じなかった。「集中しないと不良品が出る」。職場の人たちとの会話を通した言語習得はままならなかった。ようやく仕事も日本語の発音も身に付いたころ、実習期間の3年が終わった。

 帰国しても、当時のベトナムに自動車製造の会社はなかった。日本企業の現地工場に入社した際の評価ポイントは、技能ではなく日本語能力。ベトナム人従業員の指導役として1年半働き、やりがいも感じていたが、日本の便利な暮らしが忘れられなかった。

 技能実習が利用できるのは1度きり。そこで選んだのが留学だった。6月末現在、在留ベトナム人29万1494人のうち、7割以上が技能実習(13万4139人)と留学(8万683人)。留学は就職への道も開けるが入管審査があり、就労に必要な在留資格「技術・人文知識・国際業務」で働くベトナム人は2万8722人に絞られる。

 「留学は学費、技能実習は仲介手数料が必要。お金を稼ぐために、お金を借りなければならない」とホアンさん。日本語学校では、入管難民法改正案に盛り込まれた新たな在留資格「特定技能」が就労への近道になるのではと期待する人が多く「再来日の前に制度があれば私も選んでいたかも」と言う。

 今は進学し、従来の在留資格取得を目指す。就職し、母を呼び寄せ、定年後に帰国−。そんな夢に向けて、日本語を磨く日々を送っている。 (古川努)

   ◇   ◇

受け入れ現場は不満 支援役不明/性急すぎる

 外国人労働者の受け入れを拡大する新たな仕組みについて議論が深まらず、制度の詳細も分からないままの入管難民法改正案。受け入れ現場からは不満の声も出ている。

 国会審議では、失踪問題など現行の技能実習制度の負の部分に焦点が当たった。実習生を受け入れる福岡県の監理団体でつくる連絡協議会の藤村勲会長は「実習生が帰国する際に母国まで送り届け、家族にお礼を伝えるような誠実な経営者もいる。実習制度の意義や良い面がほとんど取り上げられなかったのは非常に残念だ」と話す。

 気掛かりなのは、技能実習制度で企業の監査や実習生のサポートを担っている監理団体の役割を、新制度ではどのような機関が担うのか、明らかにならなかった点。「企業にとって使いやすい制度にすることに重点を置きすぎれば、外国人の人権がないがしろにされかねない」と懸念する。

 外国人の受け入れに当たっては、海外の送り出し機関との調整など多くの準備が必要になる。藤村氏は「間に合わなければ制度の運用を遅らせる判断があってもいい。混乱なくスタートできるようにしてほしい」と求めた。 (宮崎拓朗)










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