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熊本地震の帯状陥没は液状化が誘因 研究チーム、阿蘇カルデラを調査

2018年12月19日 03時00分 更新

記者:佐藤倫之


  • 2016年4月の熊本地震直後、熊本県阿蘇市狩尾地区一帯で見られた帯状陥没の現場(同市提供)

 熊本地震本震で震度6弱を観測した熊本県阿蘇市で、広範囲の地面が帯状に崩れた「謎の陥没」を調査していた安田進・東京電機大名誉教授(地盤工学)らの研究チームが、発生原因について「かつてカルデラ湖だった時代の地下層が液状化し、地表の陥没につながった」とする見解を明らかにした。17日夜、地元住民への説明会で報告した。

 2016年の地震後、阿蘇市の北外輪山裾野の平野部では、狩尾地区を中心にした半径約4キロの地域で、長さ100メートル〜1キロ、幅50〜200メートルの帯状陥没が10カ所見つかった。深さ2メートルの陥没もあった。この地域は地下に構造物がない田園地帯で、カルデラ内には活断層も確認されておらず原因は分かっていなかった。

 市の依頼を受けた研究チームは昨年5月からボーリング調査などを実施し、地下17〜36メートルに火山灰や藻の化石が堆積した粘土質の「湖成層」を確認。強い地震で「液状化に匹敵する地下変動」が生じ、地下の対流現象が地表の陥没や隆起、地割れにつながったとする見方を示した。

 阿蘇一帯のカルデラは、27万年前から4度の大噴火、大陥没で形成され、平野部は9千年前には巨大な湖だったとされる。推定される湖の範囲と帯状陥没の見つかった地点は、ほぼ重なっていた。地震に伴う液状化現象は臨海部の埋め立て地などに多いが、研究チームは「火山地帯でも起き、対策が求められることを示す事例」としている。

 被害が深刻だった狩尾1区の阿部政信区長は「家屋や水田が広範囲に陥没したのに原因も分からず一時は集団移転を求める声もあった。今後、専門家の意見も参考に地域復旧につなげたい」。安田氏は「専門家にとっても不思議な現象。調査地域を広げ、さらにメカニズムの解明に努めたい」と話した。










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