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福岡発の「プラットフォーマー」生まれるか 「Qurate」が描く戦略

2019年01月01日 03時00分 更新

記者:石田剛


  • 「理想の『つくりたいもの』に少しずつ近づいている」と語るトム・ブルックさん

  • Qurateが開発したシステムの画面。複数のSNSやウェブサイトに対する反応などを一元的に管理できる

 SNS、ブログ、ホームページ…。PRしたい商品や届けたい客層に応じて、インターネットを通じた情報発信手段を使い分けるのは当たり前の時代。それぞれを簡単かつ効果的に管理できないものか――。

 そんなニーズに応える企業向けのシステムを開発したのが、福岡市のベンチャー企業「Qurate(キュレート)」だ。少しずつ取引先を広げ、2019年初旬からは凸版印刷と共同で製品販売を進める。福岡発の「プラットフォーマー」を目指し、ステップを続ける。

 キュレートが開発した「コンテンツマネジメントシステム(CMS)」では、ウェブサイトやSNS、アプリなどの情報発信や管理、分析が一元的にできる。投稿の予約機能や、各投稿に対する反応が一覧できる機能などを持ち、企業の担当者にとってはマーケティング力や作業効率の向上につながるという。これまでに大手酒類メーカーのバカルディや福岡市役所が採用した。

 凸版印刷はデジタル分野のシステム提供やコンテンツ作成を手掛けており、取引先企業に販売していく。20年度には、関連受注を含めて10億円の売り上げを目標に掲げている。

 「いろいろなウェブサイトやメディアをその都度立ち上げてログインするのは面倒でしょう。だったらまとめて管理できるプラットフォームをつくればいい、と考えた」。キュレートの創業者でCEOのトム・ブルックさん(39)は説明する。

 「あったらいいな」に応えることは、革新を生む。18年12月、福岡市のイベントに登壇したYouTubeの共同創業者、チャド・ハーリー氏はサービス誕生の経緯をこう説明した。

 「当時(05年ごろ)、いろいろな画像を共有できるサービスはあったが、動画はなかった。ウィンドウズ・メディアプレイヤーやクイックタイムなど動画プレーヤーはいろいろあったが、シームレスなものがない。それで98%のブラウザにあった「Flash」で見せることにした。ダウンロードする必要がなく、シームレスに使えるという点が成長につながった」

 この発想、キュレートにも通じるのではないか。ブルックさんにハーリー氏の話を振ると、「ユーチューブもアップルも、シンプルで驚くべきソリューションを提供した。一方、私たちのCMSはまだたくさんの課題がある。ビジネスを継続させるために、少しずつ成功を重ねていく」と現実を見つめる。

 一方で着実に手応えを感じているのも確か。「今、とてもいいエナジーが生まれてきていて『成功できる』という感覚が出ている」と語る。

 ブルックさんは英国出身。もともと福岡には縁もゆかりもない。ロンドンでIT系のコンサルティングやウェブデザインの仕事をした後、バックパッカーで世界中を旅しながら、「日本の文化とテクノロジーに興味を持った」。

 その中でも都市と自然のバランスが気に入った福岡で暮らす道を選んだ。「ワークライフバランスがとりやすくて、クリエティブなアイデアが浮かびやすい場所」と話す。

 キュレートが将来目指すのは、SNSやウェブに限らず、多種多様なコンテンツやサービスをつなぐ「ハブ」の構築。そのために「理想像を持ちつつも現実のニーズに応じることが大切」で、CMSはそのステップという。アイデアが浮かびやすい、という福岡で生まれる次のステップに注目したい。










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