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治安回復へ「修羅」のイメージ払拭を 北九州、魅力探し・データ(4)

2019年01月13日 03時00分 更新

記者:木村知寛


  • 北九州市が制作した「自虐ポスター」。東京生まれの「ボク」が「修羅の国なんですか?」と「キタキューのおっちゃん」に真相を尋ねる

 「一家に一台ロケットランチャーがあるって、本当?」「持っとるわけないっちゃ!」−。

 行政自らが“自虐ネタ”を振りまいて否定するほど、北九州市には「危険な街」のイメージがつきまとう。全国に衝撃を与えたのは2012年6月末のことだ。

 県警は戸畑区の住宅街にある倉庫からロケットランチャー1基を発見。ロシア製の軍事用で、県警がエックス線で内部を調べた結果、砲弾のようなものが装填(そうてん)されていた。

 「危険な街」はいつしか、会員制交流サイト(SNS)などで「修羅の国」と揶揄(やゆ)されるまでになった。イメージを払拭しようと、北九州市安全・安心推進課は昨秋、自虐ネタを前面に出したポスターを作った。首都圏でのPRイベントに向けたもので、題名は「ウワサの真相!!教えて★キタキューのおっちゃん」だ。

 東京育ちの「ボク」が、市出身の「おっちゃん」に「北九州って修羅の国なんですか?」「繁華街では身ぐるみ剥(は)がされますか」と“ど直球”で質問。おっちゃんは「派手なロケいっぱいやっとるけど、いたって平和よ」「ぼったくりとか見たこともきいたこともない」と完全否定する。

   ◇     ◇   

 実は、統計上、北九州市は福岡市よりも治安が改善している。

 県警によると、治安の指標となる刑法犯認知件数は2017年、北九州市は7570件で、福岡市は1万6361件。北九州市はピークの02年(4万389件)から実に81・2%も減った。02年当時の政令市14市で比較すると、02〜17年の減少率はトップだ。

 両市ともに刑法犯の多数を占めるのが、自転車盗や車内荒らしなどの「窃盗犯」。北九州は4721件で、福岡が1万1736件。殺人などの「凶悪犯」は北九州49件、福岡97件だった。17年の刑法犯認知件数を人口10万人当たりで換算すると、北九州市は約800件で、福岡市の約1040件より少ない。

   ◇     ◇   

 だが、県警による14年の工藤会壊滅作戦着手後も「修羅の国」のイメージは根強い。

 今春の合同説明会でポスターを掲示予定という北九州市内の建設会社によると、昨年、入社が内定していた県外の高校生から「親から『北九州には行かせられない』と言われた」と一転して断られたという。採用担当者は「就職説明会などでは、会社の良さだけ紹介したいのに、街の治安を説明する必要がある」と吐露する。

 市安全・安心推進課は「自虐ポスター」のほかにも、ランニングしながら地域の見守りに取り組む「パトラン」の参加者数が約500人と日本一であることや、市内全小学校区(132校区)で生活安全パトロール隊が結成されていることなどを紹介するポスターも作製。同課は「こうした宣伝活動が安全安心を取り戻した街をPRする第一歩」」と強調する。

 ポスターはSNSで拡散され、市内外の学校や企業から「使いたい」と、依頼が相次いでいる。










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