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建設業 週休2日進まず 九州3県・3政令市の公共工事 災害復旧相次ぎ 後回し

2019年01月15日 03時00分 更新

記者:北島剛


 若手就業者の不足が深刻な建設業の働き方改革として、国が進める公共工事の週休2日制の導入が九州で遅れている。国土交通省によると、昨年9月末時点で未実施なのは全国7府県で、そのうち九州は福岡、熊本、佐賀の3県と半数近くを占める。政令市は全国10市で実施しておらず、九州の3市(福岡、北九州、熊本)全てが含まれる。熊本地震(2016年)、九州豪雨(17年)など緊急を要する復旧工事が相次いだためだが、将来的な担い手確保へ、未実施の自治体も対応を急いでいる。

 建設業の就業者数は現在、ピーク時の685万人(1997年)の約7割まで減った。「危険、汚い、きつい」の3K職場のイメージが残り、新規就業者の確保に苦戦。現在は55歳以上が3分の1、20代以下が約1割と高齢化が進んでいる。

 国交省は原因の一つに、全産業平均に比べ年間300時間以上長い労働時間があるとして、2016年度から本格的に週休2日工事を推進。休みの分、工期が長くなり、受注企業の現場事務所の土地代や経費がかさむことから、4週間に6日以上の休日を確保した現場には工事費の数%の増額補正や工事成績の加点をするようにしている。

 建設業では今年4月から建設コンサルタント会社などは罰則付きの時間外労働規制の対象となり、24年には業界全体に適用される。

 九州の未実施自治体はいずれも早期の試行を検討しており、昨年11月には、九州・沖縄8県と3政令市が週休2日促進のため、どのレベルの工事規模から導入するか公表することを申し合わせた。

 国の本格実施に先行して15年度から取り組む長崎県は昨年末、設計金額1千万円以上の工事は受注企業が希望すれば原則全て週休2日工事ができるよう対象を拡大した。未実施の熊本県は「災害復旧の状況を見極めながら、導入の検討を進めたい」としている。

 業界側も行政と歩調を合わせる。長崎県建設業協会の谷村隆三会長は「現場監督などを担う施工管理者の1級取得までは10年かかる。若手就業者の確保は喫緊の課題で、働きがいのある業界づくりに取り組む覚悟はみんなができている」と話す。

   ◇   ◇

「工期の設定難しい」 「発注者の理解必要」 

 国や地方自治体が進める公共工事の週休2日だが、余裕のある工期設定や作業効率化に向けた情報通信技術(ICT)導入など、行政、建設業界双方にとって課題は多い。

 九州で導入済みの長崎、大分、宮崎、鹿児島県によると、週休2日工事を実施した企業のアンケートはおおむね好評だが、「悪天候が続くと工期が守れるか心配」という声もあった。大分県などは意見を踏まえ、雨による予定外の現場閉所日も休日に組み込めるよう実施要領を見直した。

 大分県は2017年度、受注企業が計画した週休2日工事112件のうち、達成できたのは半分以下の49件だった。天候のほか、現場の土壌の条件で追加工事が必要になったなどが理由。担当者は「完成が遅れないよう発注の前倒しを進めている」など、導入に向けた工夫をする。大分、宮崎県では県内一斉に工事を休む日も設けている。

 一方で、未実施の自治体には戸惑いもある。「市民からすると工事は早く終わってほしいだろうから、工期設定が難しい」(北九州市)という指摘や、休日増加が収入減につながりかねない日給労働者の対策を課題に挙げる声もあった。

 福岡市の建設業関係者は「現場の努力はもちろんだが、工事費の増額補正がまだまだ足りず、発注者の理解が必要になる」と求めた。国交省は「ドローンを使った測量など、生産性向上を業界全体に広め、週休2日導入を後押ししたい」としている。










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