ようこそ ゲスト様

qBiz 西日本新聞経済電子版

会社員、退職して薬局を事業承継 介護、後継者難で廃業の危機救う 北九州の「柳町調剤薬局」

2019年01月21日 03時00分 更新

記者:岩佐遼介


  • 脱サラして柳町調剤薬局を事業承継した尾山一志さん

 中小企業の後継者不足が深刻化する中、直方市の薬剤師、尾山一志さん(35)が、後継者不在だった調剤薬局「柳町調剤薬局」(門司区柳町1丁目)の事業を譲り受け、経営を続けている。創業35年の歴史がある同薬局は、黒字経営を続ける一方で、経営者は仕事と介護の両立に悩んでいた。会社員だった尾山さんは退職し、事業承継することを決意。「経営を成功させ、珍しい会社員からの事業承継のモデルケースになりたい」と意気込んでいる。

 北九州市立大ビジネススクール(大学院マネジメント研究科)の卒業を控えた昨年3月、同大の特任教授を通じて同薬局のオーナー押切洋子さん(64)と出会ったのがきっかけだった。押切さんは、病に倒れた夫の介護と薬局の経営に追われていた。後継者もおらず、薬局の承継者を探していた。

 同大で企業の合併・買収(M&A)について学んでいた尾山さんは「このままでは地域が廃れてしまう。学んだことを実践してみよう」と事業承継を決意。同年3月末に勤めていた薬局運営会社を退社。同年7月に法人を設立して柳町調剤薬局を買収し、事業を引き継いだ。

 総務省の調査によると、2025年までに70歳を超える中小企業経営者約245万人のうち、半数が後継者不足で廃業する可能性がある。廃業の急増で、同年までに計650万人の雇用と約22兆円の国内総生産が失われる恐れもあるという。政府は、事業承継した人の納税を猶予するなどの支援策を拡充している。

 事業承継から半年余り。尾山さんは、処方薬だけでなく一般医薬品の相談に応じたり、かかりつけ薬局の役割を果たしたりする「健康サポート薬局」の取得を目指すなど、精力的に活動している。「地域でニーズのある事業が後継者不足で廃れてしまうのはもったいない」。今後は自身の経験を生かし、事業承継を検討する会社員らを支援する事業も展開していくつもりだという。










九州経済 ニュースの最新記事



そもそもqbizとは?

Recommend

ランキング

Recommend

特集 最新記事

コラム 最新記事