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第7次ブーム盛り上げ、ジャパン背負う「菊鹿ワイン」

2019年02月03日 03時00分 更新

記者:木村貴之


  • 「菊鹿ワイン」の代表銘柄「菊鹿シャルドネ」(2860円)。洋食、和食ともに合うワインとして定評がある(撮影・木村貴之)

  • 菊鹿ワインの原料となるシャルドネ品種が栽培されている熊本県山鹿市菊鹿町のブドウ畑(菊鹿ワイナリーに展示の資料写真から)

  • 「菊鹿ワイン」を食堂車で提供し続けているJR九州の「ななつ星in九州」=2018年3月、熊本県阿蘇市(撮影・島村史孝)

 大好きなワインがある。「菊鹿ワイン」と呼ばれ、熊本県山鹿市産のブドウで造られるご当地ワイン。代表銘柄「菊鹿シャルドネ」は琥珀(こはく)色に近い白で、果実味あふれる香りと柔らかな口当たり、深みのある…。要するに激ウマの日本ワインだ。熊本出身の私には身近な特産品でもあるが、ワイン好きにとっては「入手困難な幻の逸品」。最近、幸運にもこの逸品を入手。慎重に栓を開け、いとおしく味わうと、瓶に詰まっているのは美味しさだけではない気がする―。

 生産元は、1999年創業の「熊本ワイン」(熊本市)。菊鹿シリーズは、山鹿市菊鹿町の農家と栽培契約を結ぶブドウ畑のシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨン(赤)を原料に、最新設備を備えた醸造所で生産される。菊鹿地域は山間部で寒暖差が大きく、水はけの良い砂質土壌が分布。梅雨時に備えた雨よけ、夜間に収穫するナイトハーベストの導入などで高品質の生産工程を維持する。

 2004年、シリーズが国産ワインコンクールで金賞を受賞し、菊鹿ワインは一躍脚光を浴びた。09年はアジア市場のコンクールで最優秀賞に輝き、名声は世界へ。JR九州(福岡市)の豪華寝台列車「ななつ星in九州」では13年の運行開始以来、食堂車で提供。同社広報担当が証言する。「和食にも合い、自信を持って提供できる九州の逸品。ワインの本場・フランスからの乗客も『こんなに美味しいワインが日本産だとは。キクカ。ぜひ輸入したい』と絶賛していました」

 ただ、消費者として悩ましいのは、菊鹿ワインは少量生産のため流通量が少なく、手に入りにくい点。山鹿市によると、原料ブドウの栽培農家は約30世帯、栽培面積は9・5ヘクタールで「有力産地の山梨や北海道などに比べれば極めて小規模」(農業振興課)。熊本ワインは「まだ販路拡大まで至っていない」と明かすが、福岡の百貨店関係者は「喉から手が出るほど欲しいけれど、焦らず待ちます」と、産地の成長を温かく見守る。

昨年11月にオープンした「菊鹿ワイナリー」。醸造所やショップ、レストランが併設された=熊本県山鹿市(撮影・木村貴之)
建物外壁のガラス窓からステンレスタンク群(全24基)の一部が見える菊鹿ワイナリーの醸造所。観光客の見学対応も計画している
木村貴之(きむら・たかゆき)<br />
1994年から西日本新聞記者。趣味は釣りとエレキギターの手入れ。好きな映画は「椿三十郎」「八つ墓村」「ナチョ・リブレ」。音楽はレッド・ツェッペリン「貴方を愛しつづけて」、寺井尚子「ジャズ・ワルツ」、里見洋と一番星「新盛り場ブルース」









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