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たった一機の初飛行、「最後の一葉」で道を開いた地下鉄…ギンギラの試練、百貨店不況と福岡沖地震 福岡流通戦争モノ語り(6)

2019年03月05日 03時00分 更新

記者:福間慎一


  • ギンギラのステージに登場した地下鉄3号線たち。手にしたスコップに、延伸への強い思いがうかがえる

  • 地下鉄3号線の愛称決定を伝える2003年6月21日の本紙紙面。公募の票数は3番手だった

  • 博多駅前の大規模陥没を伝える本紙紙面

  • ギンギラではおなじみ、西鉄バス軍団

 福岡沖地震の1カ月半ほど前、天神では地中に大きな変化が起きた。天神地下街の延伸と、新たな地下鉄「七隈線」の産声だ。公募した愛称で「七隈線」は3番手。1位の「城南線」、2位の「福大線」を差し置いて、鎌倉時代からの長い歴史を持つ地名に決まった。

 しかし、開業直後は利用客数が低迷する。

(大塚)ギンギラには、「世界の名作シリーズ」と題した短編があります。地下鉄七隈線を主人公にしたのが「最後の一葉(オー・ヘンリー作)」という作品です。赤字で寝込んでいる娘(七隈線)を、父親(市役所)が「もうすぐ博多まで開業するからがんばれ」と励ましますが、医者(銀行)は「このまま赤字では厳しい」と伝えます。「窓の外を見て!不景気の嵐で、木に茂っている葉が散っていくわ。全部散ったとき、七隈線はどうなってしまうのかしら…」と嘆く娘(七隈線)。

 (大塚)そして夜が明けると、1枚の葉っぱが木に残っています。それは人気エリアの「木の葉モール」(西区)でした…という話です。木の葉モールに希望を見いだした七隈線は「私、がんばるわ」と、スコップを持って穴を掘り出します。

 博多への延伸を目指している七隈線は、2016年11月、工事現場の大陥没に見舞われた。陥没の瞬間をとらえた映像では、信号機が穴の中に吸い込まれるように落下する様子が衝撃的だった。陥没は、ギンギラの物語でも登場した。

 (大塚)信号キャラが、舞台から「穴に見立てた客席」に落ちると、なぜか穴の底には「下部リーグに落ちてしまったアビスパ福岡」や「閉園が決まったスペースワールド」がいる。さらに穴の縁には、「ヘブンイレブン」というコンビニが、ギリギリのところで持ちこたえている…。

 (大塚)すでに別のタイトルでライブの準備を進めていましたが、急きょ「穴があったら入りたい」とタイトルを変えて、信号機が穴に落ちるオープニングを書き足しました。タイムリーなギンギラならではの醍醐味ですね。

 延伸区間の開業は最長2年延期し、2022年度中の開業を予定している。

 (大塚)博多への延伸は、七隈線の根本的な「治療法」となるのでしょうか。七隈線の物語はまだ途中。これからどうなるんだろうという楽しみがあります。

 (大塚)百貨店不況がきっかけとなった「モノ語りの広がり」。地震での公演中止がきっかけの「全国への展開」。ギンギラはいくつもの試練を乗り越えてきました。これも、取材で協力してくれた皆様、公演を支えてくれている舞台関係者、そしてなにより「面白い」と喜んでくださるお客様のおかげです。さあ、この連載もあと2回。「現実の店たちの反撃」が始まります!

 長引く景気低迷と、ネットショッピングの台頭に苦しんだ天神の百貨店。転機は、生まれ変わった博多駅によってもたらされた。第3次流通戦争から10年の時をへて開業したJR博多シティが見せたのは、原点回帰とも言える「コト消費」。天神と博多が競い、高め合う「第四次流通戦争」がついに始まる――。

YS―11のかぶりモノを着けて福岡空港に着陸する旅客機に敬礼する大塚ムネトさん。百貨店の停滞が、物語の幅を広げることになった
スカイマークの就航認可を告げる1998年8月23日付の本紙
初日から大幅に遅れたスカイマーク。最終便は2時間遅れで、会社は乗客にタクシー代を支払った
東京のパルコ劇場で演じた「翼をください」の一場面
雁ノ巣飛行場跡にあった格納庫跡。2002年に撤去され、今はない。
再演時は、引退する国産飛行機YS−11も登場。引退前には「YSキャラ」で、実際にYS−11に乗る(2006年 福岡空港にて)
2015年、スカイマークの民事再生法適用申請を伝える本紙紙面









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