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5.「犬」CM制作者が、CMの映画を作った(上)

2014年01月07日 03時00分 更新

記者:川合秀紀


  • 電通エグゼクティブ・クリエーティブディレクターの澤本嘉光氏=東京の電通本社で

 「お父さん犬」で知られるソフトバンクCMなどを作る日本屈指のクリエーターが、今度は、国際的な広告祭の舞台裏を描いた映画「ジャッジ!」(配給:松竹、1月11日全国公開)の脚本を手掛けた。電通(東京)エグゼクティブ・クリエーティブディレクターの澤本嘉光(47)は長崎市出身。数々の広告賞を受賞し、審査員経験もある澤本が、自分の業界を嗤(わら)いつつ、ある骨太のメッセージを伝えようとした理由とは‐。

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 「ジャッジ!」は、世界最大の国際広告祭が舞台。妻夫木聡=福岡県出身=演じる落ちこぼれクリエーターが、先輩の代わりにニセ審査員として参加し、クビを懸けてある企業のCMを入賞させなければならなくなる。主人公は、さまざまな手を使って賞を取ろうと動く他の審査員たちに出会い、悩み戸惑いながらも、自分の目指す道を見つけようとする。


※「ジャッジ!」公式ホームページより(予告なく閲覧できなくなることもあります)

 「映画で書いたことは、半分くらいは本当です」。澤本は言う。映画のセリフで「戦争」と語らせた審査会の現場。例えば‐。

 主人公が、審査会場のホテル自室で、荒川良々=佐賀県出身=演じるブラジル人審査員から「コーヒーでも飲もう」というメッセージを受け取る。待ち合わせ場所に行くと、ブラジル人制作のCMを売り込まれる。トイレで隣り合わせになった審査員が、別の審査員に「あの作品をよろしく」と依頼する。自分の存在をアピールするため奇抜なアニメのTシャツを着る…などなど。

 「実際には、大半は純粋に作品の善しあしを審査しています。ごく一部の部分にフォーカスを当てて描きました」。不正ぎりぎりの「受賞レース=戦争」は、一般の人から見ると面白おかしく映る一方、広告業界に生き残るために国際的な賞を獲得してメジャーな存在にならなければならない現実を示してもいるのだろう。

 しかし、主人公は終盤、入賞を命じられた自社のCMではなく、審査で落選しそうになっていたライバル社のCMを推薦する演説を、たどたどしくぶつ。ハイライトシーンの一つだ。

 「良いものは良い、悪いものは悪い。シンプルだ!」
 「みんな広告が大好きで、ここにいるんじゃないか!」

 実はこれも、“セリフ”は違うが、澤本の実体験に基づいている。










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