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5.「犬」CM制作者が、CMの映画を作った(下)

2014年01月08日 03時00分 更新

記者:川合秀紀


  • 澤本嘉光氏が書いた映画の脚本「犬と私の10の約束」

  • 長崎市出身の澤本嘉光氏。「すごいと思ったクリエーターの九州出身率が異常に高い」=東京・電通本社で

 映画「ジャッジ!」(1月11日公開)で、広告業界の裏側をユーモアを交えて描いた電通(東京)のエースクリエーター、澤本嘉光(47)=長崎市出身。澤本の代名詞にもなっているのが、「お父さん犬」を登場させたソフトバンクモバイルのCMシリーズだ。最近では、大人気ドラマ「半沢直樹」の主人公(を思わせる堺雅人=宮崎市出身)も起用した。映画にも通じる構図とは何なのか。

※連載(上)はこちら。

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 なぜ、半沢直樹(堺雅人)だったのか−。私は正直なところ、昨秋の放映開始当初、「ベタすぎる」と思っていた。だが、ずっと見ていて気付いたことがあった。それを澤本に聞いた。

 ―新シリーズは、ソフトバンクと競合他社の「ライバル関係」を、日本企業のCMでは珍しくストレートに描いています。でも、あれってソフトバンク自身も批評の対象にしている気がします。
 「そうです。他社誹謗(ひぼう)にもなるけど、ソフトバンク誹謗でもあるんです。ソフトバンク自体にもひとこと言っている。『自慢だけじゃだめ』『他社と同じようなことでいいのか』と。堺(雅人)さんは、どの会社にも平等にダメ出ししているんです




※ソフトバンクモバイル公式ユーチューブチャンネルから。予告なく閲覧できなくなることがありますのでご了承ください。

 「こんなCMを作れていること自体、良い会社だと思います」。長いクリエーター生活で、CMについて直接やりとりする企業のトップはそう多くない。ソフトバンク社長の孫正義=佐賀県出身=はその一人。「広告に一番熱心な経営者。プレゼンに必ず出てくるし、勘がすごい。たぶん、孫さん自身が優秀なクリエーターなんだと思います」

 「半沢直樹」でも今回のCMでも、主人公は正論をまっすぐに主張し、社内外の旧弊と戦う「異物」である。それは、ソフトバンクCMの顔でもある「お父さん犬」そのものだ。「犬」をCMで継続的に使うことを発案したのも、孫だったという。

 「『犬』は、セリフ的には変わったことは言っていない。頑固で、よく怒って、でも子どもたちに愛されている。でも最近失われつつある『日本の父』の象徴です。伝達論としては、平凡な設定の中で一つだけ『ずらす』と、どこか面白く、不安にもさせ、見てくれる。父親を『犬』という異物にずらしているんです」

 澤本の「異物」を取り入れる発想には、きっかけがあった。「寅さん」である。










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