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佐賀発「日本一高い」トマト、東京市場を席巻する理由

2014年04月17日 15時00分 更新

記者:石田剛、下崎千加、鎌田真一郎


  • 光樹とまとの収穫作業。ほとんどが東京に出荷される=佐賀市川副町

  • 3月の「光樹とまとフェスタ」でシンガポールのレストランが提供した料理。JAさが川副光樹とまと部会のホームページでも紹介している

 「日本一高値で取引される大玉トマト」が、佐賀市川副(かわそえ)町の有明海沿岸で作られている。干拓地の土壌で育つ「光樹(こうじゅ)とまと」だ。品質の追求に加え、国内外の有名レストランの料理人に食材として使ってもらう独自の広報戦略で着実に評価を高めている。

 生産するのはJAさが川副光樹とまと部会の12軒の農家。大玉品種「サンロード」を、水を極力与えず低めの温度でじっくり育て、自主基準をクリアしたものだけを出荷している。糖度、酸味、うまみのバランスと舌触りの良さが特徴だ。年明けから夏にかけて収穫し、3〜5月が最も甘く、色も良い。「面積当たりの収量より味にこだわっているので、同じ広さのビニールハウスでも、他のブランドトマトの半分程度しかとれない」と副部会長の古賀信一郎さん(43)は話す。

 青果卸最大手の東京青果によると、日本中の野菜が集まる東京・大田市場で、光樹とまとはここ数年1キロ平均500〜600円と他のブランドトマトを150円以上引き離す最高値での取引が続いている。野菜第2事業部課長補佐の土井研吾さん(36)は「とにかく『うまいトマト』と評判がいい。ここまで高値が出続けるトマトは他にない」と言い切る。

 もともと品質には定評があったものの、他のブランドトマトとの価格差はわずかだった。市場の評価を高める転機になったのは2011年。ほとんどを東京に出荷していたため、東日本大震災は打撃だった。取引量は落ち込み、販促イベントも軒並み中止になった。状況を打開するため、部会は「食べて分かってもらう場づくり」を模索した。

 同11月、著名な料理人たちが佐賀市に集まる催事でPR。これが5カ月後、東京のレストランが光樹とまとを使ったコース料理を楽しむイベントを開くことにつながる。イベントの後、部会には問い合わせが相次いだ。

 「味覚のプロにおいしさを知ってもらい、伝えてもらうのが効果的だ」。部会は13年、腕利きのレストランに無料でトマトを送り、同じ日に料理に使ってもらう「光樹とまとフェスタ」を企画。佐賀市の料理人の人脈や各地で評判の店に呼び掛けたところ、国内外の17店が参加した。各店は料理や客の声をインターネットで紹介した。今年3月28日には2回目を開催。参加は22店に増えた。

 フェスタの参加店が光樹とまとの加工品を商品化する動きも出ている。古賀さんは「綿密に戦略を立てたわけではなく、ファンをどうつくるかを追求した結果。値段が高くても納得してもらえるトマトを作り続けるだけです」と表情を引き締めた。

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